中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学生】英語は順調に学習できていますか?

 そろそろ、中1最初の中間テストの結果が出てきたかと思います。

英語の成績はどうでしたか?

今回は、英語の成績が低迷した生徒へのアドバイスです。

英語はスタートダッシュが大事だった

 

実は、英語と言う教科は、他の教科以上にスタートダッシュが肝心だったのです。

数学、あるいは理科や社会は、単元学習の教科です。今回の出題範囲・単元が苦手だったとしても、今から頑張れば、次の単元をマスターすることができます。そうすれば学校の定期試験でも高得点が見込めます。苦手だった単元は、夏休みや休日を利用して少しずつ埋めていくことも可能です。

 しかし、英語は完全に蓄積型教科です。土台部分が穴だらけの状態では、上に英語の建造物を構築することはできないのです。

だからこそ、最初のスタートダッシュ、つまり中1になってからの数か月の学習が非常に重要でした。

 その集大成を測る中間試験で成績不振だったということは、まずい事態です。

 まずはそのことをしっかり認識する必要があるのです。

 

塾に頼らない

 

 成績不振の場合、多くの生徒が塾に頼ろうとします。本人にその気がなくても、親が頼ろうとします。

「英語の成績が悪いわね! 塾に行きなさい!」

「だいじょうぶだよ、自分でやるから」

「自分でできないからこんな成績なんでしょ!」

反論できませんね。

 

しかし、残念ながら、今のあなたの成績を向上させてくれる塾はありません。カリキュラムが学校とは違いすぎるからです。

個別指導や家庭教師なら悪くはありませんが、実力と指導力のある良い先生を見つけるのが困難です。

 

やはり、自分で何とかする他ありません。

 

学校教科書を再評価してみる

 

 公立中学校と私立中学の大半は、検定教科書を使っています。中学生の学習、まして中1の学習は、教科書にはじまり教科書に終わるといいたいくらい、教科書の学習が基本となります。中間テストレベルで点がとれていないのは、この学習をさぼっていた証拠です。

 まずは、中1の教科書を完璧に学習しましょう。

 ちなみに、東京都公立中学校の教科書割合はこんなかんじです。

英語教科書

もし手にはいれば、一度自分の学校で使われている教科書を修了した後に、別の出版社の教科書を学習するのも効果的です。

同じ内容を、別の角度から学ぶことで定着が違うからです。

 

学習のステップは以下のとおりです。

①声を出して読む・・・基本の学習はまずはここから。ただし発音が怪しいと思うので、教科書の音声を入手してください。おそらく学校から電子教科書と音声も支給されているはずです。また音声教材は書店でも売られています。

 もちろん1度読むだけではだめですね。暗唱できるレベルまで読み込んでください。

 

②教科書ワークを使う

 書店に行くと、教科書に対応したワークが、各出版社ごとにあります。

たとえばこんなものです。

こうしたワークを馬鹿にしてはいけません。これだけでも完璧にやっておけば、おそらく中間テストでは高得点だったはずです。

 学校教科書を活用した学習の利点はこれなのです。至れり尽くせりの問題集や参考書がいくらでも書店で 入手可能なのです。

 

②単語を覚える・・・学校教科書の英単語は全て暗記しましょう。それとは別に、書店で売られている英単語集も使います。英単語ばかりは、別に中1だからこれだけしか覚えてはいけないという制約はありません。いくら覚えても損にはなりません。それどころかいずれ大きな武器になるはずです。

 その際に利用するテキストとしては、これをお薦めします。

このシリーズは定番ですので、おそらく大学受験生の多くが、同シリーズの「ターゲット1900」を使っていると思います。この「1100」は、ターゲットシリーズの入門編です。

この1100を完璧にマスターした後に、1200、1400、そして1900へとステップアップしていけばよいのです。

 さらにこのシリーズには「ターゲットの友」というアプリもあります。単語の反復演習に最適です。昔のように単語カードなど作らなくてよいのです。ただしこのアプリが対応しているのは「ターゲット1200」以降なのが残念です。

 

英単語については、「Duo」シリーズも人気ですね。

DUO 3.0

DUO 3.0

Amazon

「ターゲット1900」まで進むあたりでこちらに乗り換えるのもアリだと思います。

しかし、まだ早いです。しかもこちらのほうが何か不親切というか、あっさりした編集です。それはそれで好ましいのですが、今の段階、つまり英語の最初の段階で躓いている場合には選ぶべき単語集はこちらではありません。

 

③基礎英語(NHK)

 多くの中学校の先生が、NHKの「基礎英語」の学習を指示しているはずです。なかには試験範囲に含める先生もいますね。

 この基礎英語、実によくできているのです。さすが老舗だけのことはあります。しかも昔より格段に進歩していて、内容も楽しく興味が持てるように工夫されています。

 おそらく、この基礎英語、4月からさぼっていますね。

 ラジオ放送ですが、音声CDもダウンロード音声も売られています。今から追いかける形ですすめていけば、夏が終わるころには追い付けると思います。

 

④多読について

 学校が多読をすすめているのならそれに従いましょう。もしそうでないのなら、まだその段階にありません。

 いくら多読といえども、基本になる英語力がないと一歩も先へ進めません。全ての単語を調べながらでは多読どころか「苦読」です。

 やがて基礎的な英語力がついた段階では、英語で書籍を読むトレーニングも付け加えたいのですが時期尚早でしょう。

 ただし、もしかして学校から夏休みに英語の書籍を読む課題が出るかもしれません。その場合はもちろん頑張るしかないですね。

 

今ならまだリカバリー可能です。しかし中2になると、正直に言ってリカバリーはほぼ不可能です。英語が苦手なまま、高校生まですすむことになります。

 そうならないためにも、今、がんばりましょう。