今回は、「受験」の世界から少しだけ離れて、タイピングの重要性について書きたいと思います。
タイプライターの歴史
1714年にイギリスで発明されたらしいのですが、どんなものかはよくわかっていません。それから150年以上かけて改良・発明が続き、1874年にはアメリカのレミントン社が量産型のタイプライターを販売しました。「タイプライタ」という名称、そしてQWERTY配列のキー配列がこのとき誕生したのです。
1960年代にはIBMの電動タイプライターが普及し、印字の高速化がすすみました。
さて、日本はこの潮流から完全に置き去りにされています。それは仕方ないですね。文字数が桁違いですから。
しかし1978年に東芝が初の日本語ワープロ(死語ですね!)を発売したのです。当時の価格で680万円!でした。
1980年代には各メーカら多様な機種が販売されることになります。しかし、1990年代にはパソコンの普及により、ワープロは衰退し、2003年にワープロ専用機は姿を消しました。
文字入力の革命
手書きは便利です。紙とペンだけあれば、入力・推敲・出力まで同時にできます。しかし残念なのはスピードの遅さです。手書きの平均速度は1分間に70字程度だそうですね。たしかに1秒で1文字くらいというのはうなずけるところです。ただし、漢字、それも画数の多い漢字を多用すると、とたんにスピードが落ちます。
タイピングの場合はどれくらいが目安なのか、調べるといろいろな数字が出てきますが、一般事務系では100字~120字程度、プログラマーは200~300字程度だそうです。プログラミングは、アルファベットと数字だけですよね? また入力する単語?が決まっている場合は早いですから単純比較はできないですね。
試しに私のタイピング速度を測定したところ、1分間で250字程度でした。まあこんなものでしょう。
ざっくりとした目安としては、手書きの2倍~3倍程度のスピードが普通と考えてよいと思います。
文章力が向上する
さて、ここからが本題です。
タイピングが早いと、単に文章を速く入力できて便利だ、そんな単純なことではないのです。
タイピングには、手書きにはない大きなメリットが2つあります。
◆思考の速さで入力できる
◆推敲が自在
さて、タイピングも早くなると、思考のスピードと同等の速さでの入力ができます。こうなると、文章入力が苦でなくなるのですね。
例えば、「4000字の作文」を書くとしましょう。手書きで原稿用紙10枚分です。
どうでしょう、もう書き始める前からうんざりしませんか? いきなりダイレクトに書き始めて4000字の作文を完成させられる人はいないでしょうから、とりあえず下書きを書き始める。すでにそれが面倒くさいですね。
しかし、タイピングによる入力なら、頭に浮かんだ文字をとにかく入力するだけですから。しかも後でいくらでも編集が可能です。
「とりあえず打ち始める」、つまり書き出しのハードルがものすごく低いのです。
また、打ち込んでいる間に、別のパートの文章を思いついたら、それを先に入力しておくこともできます。
こうして、「書く(入力)することが苦でない」状態は、大量の文章を書く(打つ)ことにつながります。だって楽ですから。いくらでも打ち込めます。
※私のブログはどうも長いのです。最近は気をつけてあまり長すぎないように留意していますが、それでも油断するとすぐに5000字を超えてしまいます。この原稿も現時点で1500字です。そろそろフィニッシュにしましょう。
記述力向上の鍵は、書く文字数にあります。四の五の言わずにとにかく書く。ここを省略して記述力の向上はあり得ません。
つまり、キーボードによるタイピングは、文章力の向上に大きな影響があるのです。
タイピングスピード向上
「思考の速さで入力」する境地にいたるためには、それなりのトレーニングが欠かせません。
すでに中学生ともなれば、タッチタイピング(ブラインドタッチ)はできていますね?
もしまだだったら、この夏休み中に完璧にしてください。
難しいことはありません。用意するのは、無線接続(Bluetoothが便利)のキーボード1つです。もちろんそれに接続する機器、PC/タブレット等は必要です。
あとは手元を隠して、キーボードを見ないようにして入力練習するだけです。
しかも最近はおもしろ入力ゲームアプリがたくさんありますので、楽しく練習できるでしょう。
※スマホのフリック入力は別物
スマホのフリック入力、速い人は本当に速いですね。電車の中で見かける高校生など、指の動きが速すぎて霞んで見えるほどです。中には、スマホのフリック入力で小説を書く方もいるようですね。しかし、ここではスマホ入力は無視します。SNSの返信がいかに早かろうと、文章力の向上には寄与しないからです。ある程度のまとまった文章が一度に見える環境でないと、推敲・編集を自在に行えるというメリットが活かせませんので。スマホを完全に入力デバイスとして、PCの大型モニターに写す使い方ならその限りではありませんが、そんなことする人いるのかな?
また、英文入力が面倒すぎます。留学したら、大量の英文レポートを入力するのですから。
※自己流タイピングは捨てる
すでに自己流のタイピングが身についてしまったのなら、これを機に捨てましょう。たまに大人でも、謎のタイピングスキルを駆使して素早く入力している方も見かけますが、どうしてもチラチラと手元を見ている様子がうかがえます。それではダメなのです。まだ間に合います。きちんとしたタッチタイピングとはスピードに雲泥の差があるのです。
これで、今年の夏休みの読書感想文の課題は楽勝ですね!
より詳しマスター法を記事にしています。