久々に武蔵の算数の問題を見てみました。
毎年、国語と社会の入試問題は大量にチェックするのですが、どうしても算数と理科は後回しになってしまいます。200校を超える入試問題を見ますので、なかなか手が回らないのです。
ここ何年か、武蔵を受験する生徒がたまたまいなかったのもいけませんでしたね。
反省して今年の問題を開いたのですが、一気に「若い頃」に時間を引き戻された思いです。
相変わらず、武蔵の算数は「手書き」だったのです。
昔は、他の教科も「手書き」でした。これは実に塾屋泣かせだったのです。
武蔵対策のテストを作成するときには、いったんパソコンで完成させた問題をプリントアウトし、それをわざわざ手書きで書き写してから印刷する、という手間が必要だったのです。
もう意味がわかりません。
「頼むから武蔵の先生もパソコン入力を覚えてくれ!」と願ったものでしたね。
その願いが通じたわけでもないでしょうが、やがて普通のPCで作られた問題へ進化してくれました。
まさか算数だけが、未だに手書きを継続していようとは。
この「伝統」の意味は、私にはわかりません。
大問1 小問集合
◆食塩水の濃度・・・2問
◆数の性質
これは簡単です。受験生なら瞬殺でしょう。
瞬殺といいましたが、数の性質の問題はちょっとだけ手間取ります。
・200枚のコインがすべて表向きに一列に並べてある
①左から偶数番目のコインをひっくり返す
②左から3の倍数番目のコインをすべてひっくり返す
・この時表向きになっているコインは何枚?
③左から5の倍数番目のコインをすべてひっくり返す
・この時表向きになっているコインは何枚?
こうした問題です。
操作を3回やりますので、一旦ひっくり返ったコインが元に戻っていることに注意して数えればよい問題ですね。
中学入試ではよく見かけるタイプの問題です。
大問2 旅人算
自宅から35㎞はなれた公園に移動する、そういう問題です。
・自宅から公園まで35㎞を移動
・9:40に出発して10:30に到着
・自宅からA駅までは自転車
・A駅で数分待ってから電車でB駅に移動
・B駅で数分待ってからバスで公園に移動
・自転車・電車・バスの所要時間は1:3:2
・自転車・電車・バスの速さは1:6:3
条件はこれだけです。
所要時間の比と速さの比から、距離の比がすぐわかります。
図中のウ:イ:アは1:18:6 ですね。
(1)はシンプルに自宅からA駅までの距離を出し、(2)ではバスのスピードを途中で変更する場合を考えます。(3)では、バスの待ち時間等を考えます。
いずれにしても旅人算としてはかなりの基本問題ですね。
この問題なら、線分図よりも、ダイヤグラムを書くのが正解でしょう。
(上のダイヤグラムは、正しい比で書いていません。そこにこだわると無駄な時間もかかり、さらに図がかえって見づらいものになるので正しい数値さえ書きこめば問題はないですね)
大問3 図形の問題
・四角形ABCDの面積は70㎠
・ADとBCが並行
・AD:BC=2:5
・AD=EC、AG=EG
三角形AFGと四角形FBEGの面積の差は6㎠
条件はこれだけです。
(1)三角形AFGの面積
(2)FG:GH、DH:HC
これらを求める問題でした。
これも基本問題といってもいいでしょう。
大問4 和差算
和差算の応用ですね。
正直、そんなに難しい問題ではありません。
「The 算数」とでもいいたくなるような出題ばかりです。
最近の一部の難関校で見られるような、「それは数学だろ!」と突っ込みを入れたくなるような問題は出されません。
個人的にはこうしたオーソドックスな出題は好感が持てます。
あとは手書きさえ何とかしてくれれば。