5年生は、6年生への橋渡しをする大事な学年です。
子どもはどう学ぶべきか、親は何をすべきか。
5年生の過ごし方についてまとめてみます。
偏差値を上げる最後のチャンス
5年生の1年間は、偏差値を上げる最後のチャンスです。
6年生になると、さすがにどの受験生もラストスパートに入ります。そこから上に抜け出すことなどもう無理です。せいぜい下げないように頑張るしかなくなります。
しかし、5年生ならまだチャンスはあります。
それは、周囲の受験生でまだ真剣モードに入っていない子がいるからです。
得意教科を伸ばし、苦手教科をなくす。
もう受験まで1年しかない、そういう気持ちで勉強に取り組んでください。
ただし、この時期に偏差値を10伸ばすのは不可能です。
がんばっても5くらい、それが限界でしょう。
アベレージ50の生徒なら55に、それくらい伸びれば大したものですね。
塾の教師に相談すると、だいたいはこう言われます。
「うちの子は偏差値45しかないのですが、第一志望の〇〇中は62なんです。今からでも頑張れば届くでしょうか? それとも志望校を下げるべきでしょうか?」
「大丈夫です。今から努力すれば届きます。過去にもそういう生徒はいました。志望校は下げずに最後まで頑張りましょう!」
塾の教師がこのように言うのには以下の理由があります。
◆頑張ることに価値を認めている
◆実際にそれくらい伸ばした生徒が過去にいた
◆頑張れば成績は上がると言わなければ塾の存在理由がなくなる
◆志望校を下げられると合格実績に響く
おそらくは、この4つのミックスと言ったところだと思います。
実際に、偏差値で10以上伸ばして志望校に合格する生徒はいます。
ただし、それは100人中の1人・2人であって、決して100人中の80人ではないのです。
厳しいようですが、現実的な目標を「現状プラス5」と定めましょう。
それだって、並大抵の努力では到達できないのですから。
志望校を「ほぼ」確定する時期
すでに多くの学校説明会に足を運んでいるはずです。
気に入った学校・憧れの学校が見えていますね。
そろそろこのへんで、試験日を考慮しながらの志望校を「仮に」組んでみましょう。
仮にサピックス偏差値が50の男子生徒だとします。
伸びて55、落ちると45、この幅の中から志望校を仮決めしていきます。
1月校・・・市川(57)
市川中なら、進学してもよいと考えています。少し遠いですが、なんとか通えそうです。
2月1日・・・駒東(59)/芝(49)/世田谷学園(45)
もし市川に合格していたら駒東にチャレンジします。市川不合格の場合は、芝中の予定です。もし成績が45くらいに落ちていた場合は、世田谷学園(45)も考えています。
2月2日・・・世田谷学園/本郷(57)
1日の世田谷学園に合格していたら本郷を受験します。
2月3日・・・浅野(57)/都市大附属/青山学院
3日については、浅野以外は迷っています。
2月4日以降・・・市川・世田谷学園・芝・都市大附属
志望順はこうなっています。
駒東>市川>浅野>本郷>芝>都市大附属>世田谷学園>青山学院
5年生のうちにこれくらいまで煮詰めておくと、6年生になってからの迷いが少なくていいですね。
学習内容
入試に向けてのカリキュラム学習がほぼ終了します。
算数については、特殊算が出尽くします。
濃度
売買損益
多角形や円の開店
割合
場合の数
速さとグラフ
旅人算
数列
相似・面積比
図形の移動
仕事算
数の性質
そのまま入試に直結していますね。
理科についても新単元が終わります。
てこと輪軸・滑車
水溶液の中和
物の運動
太陽系
気体の性質
温度変化
植物のつくりや成長
地層・地球
消化・吸収
ばね・浮力・圧力
火山・地震
電気回路・抵抗・電流・磁界
どれも、受験生がよく間違える分野、理解できない分野ばかりです。
りんじく・滑車・てこの計算問題
月や地球の公転・自転
水溶液の中和反応やグラフ問題
電気回路の計算問題
どれも頻出ですね。
社会については、地理に加えて歴史が登場します。
5年生のうちに歴史全部を修了するのが普通です。6年生になってから公民分野を学ぶことになりますね。
いずれにしても、一つも手を抜けない全力疾走の学習が求められることに間違いありません。