中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

今どきの中高一貫校生の生活事情

今回は肩の力を抜いてお読みください。

今どきの中高一貫校生の様子について、私の見聞した範囲で書き散らかすだけですので。

情報源は、元教え子から聞いた話を中心に、保護者からの話も加えました。

スマホ事情

もしかして一番気になるかもしれませんね。

◆みんなどんなスマホを持ってる?

「やっぱりiPhoneが多いよ。最新機種派と型落ち派が半々ってとこかな。あたしはandroidだけど、ちょっとだけ肩身が狭い気がする。エアドロできないから」

 

みなさん、お子さんに高価なスマホを買ってあげているようですね。ちなみにエアドロとは、iPhone同士で写真などを交換する機能、AirDrop(エアドロップ)のことですね。

さらに数人にリサーチしたところ、なんとなく事情が見えてきました。

親がIPhoneの最新機種に常に買い替えている場合、子どもには自分が使っていたIPhoneを下げ渡すケースが多いようです。型落ちというレベルではなく、ほぼ最新機種です。さすがに親と同時に最新機種を買い与えているケースは少ないようで、少しだけほっとしました。

また、androidについては、コスパの良い機種を与えている場合が大半のようです。androidですと、iPhoneの半額くらいで同等機能のものがありますので。

彼らにとっては、とにかく「容量」と「カメラ性能」が大事なようでした。写真や動画を貯めこむために、メモリー容量はいくらあっても足りないとのこと。また、友達同士で遊びにいったときにはお互いに写真を撮りまくるので、カメラ性能の差が目立つのだそうです。

さらに、自撮りアングルが一番多いので、アウトカメラよりもインカメラの性能が大事だとか。

「非自撮り世代」の私には思いもよらない視点でした。

 

◆学校ではスマホは禁止?

「学校内では電源入れないルール。見つかると没収されるよ。でも、休み時間とかスマホ見てる子多い。先生も、厳しい先生と黙認する先生と2種類いて、黙認する先生は人気がある。でも、厳しかったのは中1と中2くらいで、だんだん厳しくなくなった気がする」

「禁止されてないよ。授業中にスマホで検索することもできるし。ただし、SNSのルールとかは授業で指導された」

 

どうやらこの2種類に大別されるみたいですね。電車通学する私立中高では、スマホそのものを禁止はしませんが、学校内での使用を禁止する、というのが大半の学校で、一部に自由放任の学校がある、といったところのようです。

もちろん学校内使用禁止の場合でも、生徒はいくらでも監視の目をくぐっていることは予想通りです。

 

◆スマホゲームはしてる?

「休み時間にハマってる奴らはいる。でも一部ってかんじ。あいつらとは話が合わないから、自然にゲーム派とそれ以外で分かれるような気がする。俺はやらない派。だってかっこ悪い気がするから」

「電車でサッカーゲームはすることあるけど、それくらい」

「吹奏楽部の演目決めるときに、原神のテーマ曲を推す子が数人いてうざかった。そんな曲知らないって」

「ゲームは絶対やらない。あんなものやると馬鹿になるって言ったの先生じゃない」

 

そうでした。私は「反ゲーム派」です。子どもたちにも「ゲームする時間ほど無駄な時間は無い!」と常日頃説いていたのでした。

そのため、たぶん私がリサーチした子たちは一般的な中高生よりも「非ゲーム」寄りに偏っているのでしょう。

電車内で観察すると、ゲームに夢中な中高生も大勢見かけますので。

職業上、彼らの制服を見ると学校がわかります。私の偏見に満ちた観察によると、学校の偏差値とゲームハマり度合いは反比例します。

 

◆スマホに制限はかかってる?

「もちろん。だから、居場所とか使用時間とかチェックされるし、アプリも勝手にダウンロードできないよ。中3になるとき、制限外そうか?って親に言われたけど、断った。別に何の不自由もしてないから」

「居場所だけはチェックされてる。それで、たまに駅まで車で迎えに来てもらえるのは助かる」

「友達に、親のかけた制限外せる子もいるけど。別に制限外す必要ある?」

「使用時間決められてるから、友達とディズニーに行ったときは、途中で親に電話して延長してもらった」

 

GPS機能だけは大切ですね。スマホを与えられた中1のときは、あれこれ弄りたくなるようですが、次第にこだわりもなくなるようでした。

 

◆通信量の制限は?

「ギガ食うから、普段はほとんど開かないようにしてる。それで、月末だけ、YouTube祭りしてる」

「ディズニー行くときだけギガ増やしてもらった」

「電車で動画みまくってる奴って、ギガ無制限なのかな?」

 

どうやら、通信容量を制限している家庭が多いようでしたね。

月に2ギガもあれば、中高生の場合は十分だという親の意見もありました。そんなものかもしれません。

 

◆家庭でスマホについて言われていることは?

「パスワードは親に知らせるルール。っていうより、パスワードは親が決めた。いつでも見られるけど、親は見ないよ。信頼されてるからさ」

「親に見られて困るような使い方はするな、とは言われた。そりゃそうだよね」

「寝る時は、リビングの充電台に置くっていうルール」

「SNSについては学校でも親からも厳しく言われてるけど、使うのは部活のラインくらいだから」

「インスタとかいろいろやってる子もいるけど、やっぱりそういう子ってかんじ。親は知ってるのかな?」

「勉強机の上に置いておくと集中できないから、勉強してる間はリビングに置くようにした。これは自分で決めたルール」

 

どうやら、私の教え子たちは、保守的なようです。ご家庭もきちんと躾けているようですね。

 

お小遣い事情

「中学生のときは月3000円で、高校生になったら5000円になった」

「とくにもらってない。必要なときにもらう」

 

毎月定額制と、必要に応じてもらう派と、完全に二つに分かれました。

周囲のクラスメイトの様子なども聞くと、どうやら定額制よりも、必要に応じて貰う派のほうが多数派のようです。あくまでも感触ですので、統計データではありません。

彼らは、そもそも小学生のときから決められたお小遣いをもらっていないのですね。なぜなら使う場所も時間もなかったからです。

小学校⇔家⇔塾、この3地点をぐるぐるしているだけの小学生時代でしたから。一人でコンビニに寄ることすらしなかったのが普通です。

それがそのまま中学生になったのですから、そもそもお小遣いを毎月もらう習慣が無いのです。そこで、通学時に必要なお金を財布には入れておき、友達とどこかに出かけるときには必要な金額を親からもらう、そういうことになったのでしょう。

 ・普段はときどき財布を補充してもらっている

 ・アニメイトに行くときは貯まっているお年玉を使う

 ・ディズニーとか遠出するときは、親からもらう

 ・塾の前にマックかサイゼ寄るので、その分上乗せしてもらう

 ・欲しい物がある時だけ、父親と一緒に行って買ってもらう(女子)

 

だいたいこんなかんじのようでした。やっぱりお父さんは財布替わり?

そもそも、最近の私立中高生は、物欲が乏しいというのが私の印象です。おそらく、欲しい物はだいたい親から買い与えられているからでしょう。

友達とはどこに遊びに行く?

「部活の打ち上げとか、試験休みとかはだいたいディズニー。年3回~4回くらい」

「池袋のアニメイト。推しグッズを買いに」

「カラオケかな。まねき猫が安いからよく行く」

「スポッチャ。ほんとにたまにしか行かないけど」

「美術館。絵が好きな友達がいるから」

「ミュージカル。あとクラシックコンサート。私も友達も楽器習ってるし、親同士も仲いいから、よくチケットとってくれる」

「鎌倉にみんなで行ったら楽しかった。着物レンタルして散歩した」

「日帰りでロマンスカーで箱根の温泉に行った」

「読売ランドとか、富士急ハイランド。ディズニー混むから」

「この前、浮世絵見に行った。趣味の合う友達がいたから」

「軍事オタクの友達に連れられてアメ横行った。それなりに面白かった」

「映画はたまに行く」

 

まあキリがないですね。昔も今も、中高生は器用に遊び場所を見つけています。多様な興味関心がある子たちが集まっていますので、遊びのバラエティに富んでいます。

ただし、よくよく聞いてみると、実はそんなに頻繁には遊びに行ってはいないのです。

学校・部活・塾・勉強、これらが忙し過ぎて、そもそも遊びの予定を合わせることが困難なのですね。だから試験休みとか、限られた日程で、誘い合わせて遊びに行くのですが、せいぜい月1回程度のようでした。

私が考えていたよりも、皆勉強に忙しいのです。

 

彼・彼女はできた?

この質問は愚問でした。

皆奥手というか忙し過ぎるというか、あまり恋愛に積極的ではないからです。もしかして私には教えてくれないだけかもしれないので、クラスメイトについて聞いてみても、そんなに「お盛ん」ではないようでした。

私が中高生のときなど、文化祭シーズンともなると、毎週どこかの女子校の文化祭に行くのに忙しかったものですが、男子中高生の彼らに聞いてみると、行ったこともない子が大半なのには驚かされました。

これがいわゆる「草食系」か? 

もっとも、男子校・女子校の生徒も、小学校時代の「塾友」や、現在通っている「塾友」はそれなりにつながっているようなので、「ただの友達」なら普通にいるとのことでした。その点、共学校のほうが、それなりに「恋愛ゲーム」はしている子もいるようです。ただし本当の「恋愛」ではないでしょうね。

完全に偏見ですが、学校の偏差値と恋愛指数?は、反比例していると思います。

私が考えていたよりも、皆「真面目」な子ばかりです。

 

 

親子関係は良好?

思春期ですからね。いわゆる「第二次反抗期」真っ最中のはずです。

そう思って何人かの子ども・親に聞いてみると、そんなに悪くはないですね。もちろん多少の反抗はあるようですが、可愛いものです。

「娘は反抗期中で口もきいてくれない」

こう嘆く母親ですが、娘と共通の「推しグループ」のライブに一緒に行っています。

「家ではお父さんが一番下」

こうひどいことを言っている女子もいました。母娘で結託して父親をイジメているとのことでしたが、もしかしてお父さんはそれでも嬉しいのかもしれません。

予想通り、男子のほうが親に反発している子が少ないですね。幼いのでしょう。女子のほうが早熟というか、いろいろあるようですが、それでも両親のどちらかとは仲が良かったりもしますので、反抗期というほどのこともなさそうです。

私見&偏見ですが、「中学受験」という試練を親子で乗り越えたことで、世間一般で言われるような「反抗期」レベルが低いのではないでしょうか。

 

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