今回は、何気なく眺めていて面白いと思った、2025の開成・算数の問題を1つ紹介します。
難しくはありませんので、ぜひみなさんも一緒に考えてみてください。
同じ間隔でタテ4行×ヨコ9行の目盛りがかかれた板があります。
この板を目盛りにそって8つの長方形に区切ります。長方形は、ふくまれるマス目の個数が1,2,3,4,5,6,7,8のものが1つずつあるようにします。なお、例えば、4マスの長方形のタテ×ヨコは、1×4,2×2,4×1のいずれでもかまいません。
このとき、行ごとに長方形が何種類あるかを数え、上からx行目にy種類あるとき、xとyの積を計算します。そして、その積を1行目から4行目まで加えた数をポイントとします。
例えば、次の(図1)の区切り方のポイントは28です。
(1)はポイントの数え方の練習問題です。
(2)では、ポイント20、30のそれぞれの場合の切り方を答えさせます。
そして(3)では、ポイントが最大になる切り方を考え、そのポイントを答えるという問題でした。この問題は、ポイントが高いと得点も高くなるという設えでした。
さて、この問題を、実は開成の卒業生の大学生(最難関大学)に解かせてみたのです。
彼はまず最初にこう考えました。
「とにかく一番下の段を多くすることがポイントのはずだ。だからこう置いてみる」
「あとは普通に並べた」
なかなか論理的な解法だと思います。
しかし、その後が面白かった。彼は、一旦自分が書いた分け方をじっと眺めています。どうやらこれでは不満なようでした。
そして、次に彼が書いたのはこうでした。
「素数の7と5はこう置くしかないから」とつぶやいています。
「あとは、なるべく縦に並べて」
彼曰く、最初にこう置くと
どうしても4個のマスを縦に置けなくなって、
ポイントが46にならないそうです。
ここまで彼が使った時間は5分もありませんでした。
その場での論理的思考力を試される面白い問題ですね。いかにも算数的です。
みなさんはどうでしたでしょうか?
去年の問題については、こんな記事も書いています。
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