昨年の記事で、小学生の英語を自宅で学ぶ方法について書きました。
すると、「そんなの無理に決まってる!」
と言われてしまったのです。
そこで今回は実例を紹介しながら説明します。
※個人情報保護の観点から本人が読んでも自分のこととわからぬレベルまで変えていますが、実話です。
A太君の小学生時代
A太君の英語の学習は、小学1年生からでした。
私のアドバイスに従って、e futureという韓国の会社が開発した、ELT(English Language Teaching)の教材、Smart Englishをメインに据えました。
もう一つは、オクスフォード大学出版局が出版する、イギリスの幼稚園~小学低学年の国語教材であるOxford Reading Tree(ORT)です。
これは多読用としてよく使われるものです。
Oxford Reading Treeのほうは、子どもに好きに読ませていたそうです。なぞると音声が出るペンも購入し、子どもた何度でも楽しく声を出して読んでいたとか。
これに加えて、単語カードを利用しました。
Smart English付属のフラッシュカードに加え、パソコンの名刺印刷モードを活用して、オリジナルの単語カードを作ります。表にイラスト、裏が英単語というものです。
これを使って、単語の反復演習も行いました。
この段階では、とりあえずスペルを書くことは要求しなかったそうです。発音できれば、やがて書くことは身に着くはず、そういう観点です。
Phonicsも取り入れようかと考えたそうですが、なんだかつまらなそうなのでやらないことにしたと言っていました。
フォニックスは最近の英語学習の流行ですが、別に必ずやらなければならないものでもないと思います。
Smart Englishには、文章も出てきます。この文章を、何度か聞かせたあとで書きとる、ヒアリングディクテーションもやらせました。
小学生時代にはこれらをやるだけだったのです。
中学受験の勉強がたっぷりとありますので、英語の学習は隙間時間に少しやるだけでしたが、継続だけは心掛けたそうです。
中学校の英語
A太君の進学した私立中高一貫校は、とくにグローバル化も前には出しておらず、帰国生入試も行わない学校でした。また、最近流行りのトレジャーやバードランド、あるいはプログレスといった「私立中高一貫校御用達」の教材も使われていません。
◆NEW CROWN
◆先生自作のプリント
◆NHK基礎英語
◆英語の読み物
授業はこの4つのみで行われます。
いまどきNEW CROWN?
だいぶ不安だったそうですが、担任の英語の先生のお話をじっくりとうかがい、先生の指示にだけ従うことを決断します。
A太君は、とにかく真面目に授業を聞くことと、先生の指示に必要以上に従うことを心掛けました。
NEW CROWNも、指示はありませんでしたが、全部暗唱できるようにしていきます。周囲では脱落者も多かった基礎英語も、毎日きちんと取り組みました。音源をスマホにダウンロードし、電車の行き帰りの時間も活用したのです。
中1の夏休み以降に実施されたスピーチコンテストでは、帰国子女の生徒を差し置いて代表に選ばれたことが自慢です。他の学年の先生から「A太君は帰国子女ですよね」と言われたとか。
定期試験の英語は、満点かそれに近い得点をとっています。
学校の教材以外に足したもの
◆瞬間英作文
◆金のフレーズ
◆英単語ターゲット
中学生になってからのA太君は、自分で考えて勉強するようになりました。
クイックレスポンスを鍛える教材と、単語力をUPさせる教材を自分で書店で探して購入すると、毎日少しずつ進めています。
A太君曰く、「会話には自信がない」そうです。学校でもそうした授業はありますが、そんなに話す機会が無いのです。「でも、留学予定は今のところないから、会話力よりもきちんとした英語力を身に着けることを優先」するそうです。
高校1年生になったら、初めて英検を受験しようかと考えています。
「今の自分の英語力では、おそらく準1級を目指すくらいだと思う」ので、書店で英検準1級用の問題集を買ってきました。
何で準1級レベルと判断したのか聞くと、以下の答が返ってきました。
・書店で問題集を見ると、2級は簡単に思えたから
・CASECという自宅で受験できるテストを何回かうけたところ、準1級相当の実力だと出たから
・鉄緑会の東大模試を受けたら、英語は悪くないレベルだったから
・学校で自分と同じくらいの英語力と思える級友が準1級を受けるから
初めての英検受験で準1級に通れば大したものですが、そんなにうまくはいかないかもしれません。
それでも、自己分析をして前へ進む材料にはなるでしょう。
結局のところ継続と能動的な学習姿勢
しごく当然の結論です。
英語の学びは、結局のところは日々の継続した努力と、それを支える能動的な学習姿勢にあるのです。いくら巷で評判の英語塾に通ったところで、この2つがなければ、学習効果は見込めません。
もしかして英語力を伸ばす切り札は、この2つを身に着けさせることにあるのかもしれません。