つい先ごろ、こんな話を聞いてしまったのです。
「入試期間中でも毎日塾に行くべきだって聞いた」
「その日に受験したテストの間違い直しを塾でやってくれる」
「やっぱり子どもは塾で友達や先生に囲まれると安心するんですって」
「毎日来なさいって先生が言ってくれた」
まさか、そんな愚かな塾があるなんて!
今回は、急いでこの記事を書きました。
入試期間中は塾に行ってはいけません!
理由その1 感染リスク
インフルエンザ・コロナ等の感染リスクを少しでも避けるためには、人との接触を最小限にするしかありません。
そのためにこの1月下旬から小学校を休ませるご家庭も多いのです。
それなのに、なぜ塾に行かせるのか、意味がわかりません。
理由その2 受験が終わった入試問題は振り返ってはいけない
常識です。
その日受験したテストが気になるのは当然です。
「あの問題、あの答えでよかったのかな?」
「あの問題わからなかったよ」
そして塾に行ってこう言われるのです。
「ああ、その答えじゃあ×になるね」
「君は算数は半分しか合ってなかったよ」
入試結果が出るまえに、そんなことを聞きたいですか?
それが明日の入試にプラスになりますか?
まともな塾なら、入試期間中の問題に関する問い合わせには一切答えないという方針のはずです。
理由その3 塾の教師は忙しい
コロナで早朝の入試激励が消滅したのはありがたいのですが、それ以外にもこの時期の塾の教師は大切な仕事をしています。
不合格になった生徒のフォローをしているのです。
綿密に練り上げた受験パターンで臨んだとしても、「まさか」の結果というものは常にあるのです。
泣いている生徒を励まし、明日の試験へ気持ちを切り替えさせる
落ち込む母親を励まし、明日に向けて気持ちを切り替えさせる
緊急で今から受験可能な学校を探す
急遽受験パターンを組み替える
緊急親子面談をする
1年で最も重要な仕事をしているのです。
そこに、入試問題を持った生徒がやってくるのは、はっきり言って迷惑です。
「先生。この入試問題の答は何?」
そんな生徒の相手をしている余裕はありません。
「毎日塾に来るように」
そんな指示をしているとしたら、一番大切な仕事をしていない塾ということですね。
理由その4 緊張感が大切
親も子も不安な気持ちで過ごしています。
塾に行かせることで、安心感を得たい、その気持ちはわかります。
しかし、それは「偽の安心感」にすぎません。
例えていえば、入試会場に、仲の良い親子と誘い合わせて行くようなものでしょうか。
プラスメリットはありません。
理由その5 動揺する
安心感を得る目的で塾に行かせました。
「僕、〇〇中合格したんだ!」
「あ、私も!」
自分が不合格だった中学校に合格した友達が必ずいます。
子どものことですから、それを口にしない自制は働きません。
たとえ1月のお試し受験校だったとしても、不合格は負の体験です。そんな傷口に塩を塗られたいですか?
理由その6 個人情報漏洩リスク
受付と職員室、教室が完全に分離しているのならよいのですが、大半の塾はそんな余裕のある作りとなってはいません。
職員室が開放的な作りで、生徒との距離が近いのが普通でしょう。
そこに、電話がかかってきます。
「先生、〇〇中学、ダメだったんです(涙声)」
「お母さま。本人に代わってください」
そんな大切な電話が丸聞こえになってよいのですか?
だからこそ、まともな塾はこの時期は通塾禁止とするのです。
入試期間中の通塾がいかにNG行為なのか、ご理解いただけたでしょうか。
私はてっきり全ての塾が禁止していると思っていたので、そうではない塾があると聞いてびっくりしたのです。
たとえ塾に来るよう指示があったとしても、無視しましょう。
次に塾に行くのは、全ての入試が終わった後にしましょう。
(補欠繰り上げの生徒がいることも考慮すると、2月の中旬以降が望ましいのです)