実は怒られてしまったのです。
受験お疲れ様ご褒美ハワイ旅行の記事です。
「ただでさえ受験でお金がかかったし、これからも学費にもっとお金がかかるのに、ハワイなんて行けるわけないよ!」
ごもっともです。
とくに最近の海外旅行は、交通費も宿泊代も食費も以前に比べて倍以上! という印象です。
大変失礼しました。
そこで、今回はもう少し身近な「受験お疲れ様」旅行として、道後温泉をお薦めしたいと思います。
- お薦めポイントその1・・・古い
- お薦めポイントその2・・・夏目漱石
- お薦めポイントその3・・・市内が狭い
- お薦めポイントその4・・・松山城
- お薦めポイントその5・・・鯛が美味しい!
- お勧めポイントその6・・・土産に困らない
お薦めポイントその1・・・古い
道後温泉は日本最古の温泉だそうです。
何をもって「日本最古」とみなすのかは難しいところです。
一般に日本三古湯として、兵庫県の有馬温泉、愛媛県の道後温泉、和歌山県の白浜温泉があげられます。
道後温泉は、聖徳太子!から夏目漱石までが入った温泉だそうで、万葉集にもその名が記されているとか。なるほど、確かに古いことは間違いありません。
修築が済んだばかりの「本館」は国の重要文化財に指定されています。
この本館を外から見て写真をとるだけの人が大勢います。ここまで来て湯に入らない理由はよくわかりません。
ほてった体を冷まそうと座敷の障子を開けると、すぐ外は道路です。写真を撮っている観光客に迷惑そうににらまれました。
★道後温泉は日帰り施設です。
普通〇〇温泉というと、温泉エリアに、たくさんの温泉宿が並んでいます。
つまり、〇〇温泉に行くというのは、そのエリアの温泉宿に宿泊することとイコールですね。
もちろん道後温泉にも宿はたくさんあるのですが、実はこの温泉の神髄は「日帰り入浴」施設にあります。
「道後温泉本館」「道後温泉別館飛鳥乃温泉」という2施設(歩いてすぐのところ)は、それぞれ休憩と入浴がセットになっています。あともう一つ、「椿の湯」というのが450円で入れる、いわば銭湯です。
道後温泉に宿をとり、歩いて日帰り施設を巡るというのも悪くはないですね。食事にも土産にも困らないほど店があります。
一番の繁華街である大街道に宿をとり、松山城と日帰り道後温泉を楽しむというのも良いと思います。
お薦めポイントその2・・・夏目漱石
夏目漱石の「坊ちゃん」にはこうあります。
「・・・城下から汽車だと十分ばかり、歩いて三十分で行かれる。料理屋も温泉宿も、公園もあるうえに遊郭がある。・・・ほかのところは何を見ても東京の足元にも及ばないが温泉だけは立派なものだ。・・・温泉は三階の新築で上等は浴衣をかして、流しをつけて八銭で済む。その上に女が天目へ茶を載せて出す。・・・・湯壺はみかげ石を畳見上げて、十五畳敷ぐあいの広さに仕切ってある。・・・・深さは立って乳の辺まであるから・・・・」
実際に夏目漱石は明治28年に英語教師として松山市に赴任していて、道後温泉にも足繫く通ったそうですね。
ちょうど道後温泉本館が改築した翌年だったそうで、そのことが漱石が知人にあてた手紙には、
「道後温泉はよほど立派なる建物にて8銭出すと3階に上がり、茶を飲み、菓しを食い、湯に入いれば頭まで石鹸で洗ってくれるというような始末、随分結構に御座候」
行く前に、ぜひお子さんには「坊ちゃん」を読ませてください。
簡単かつ面白い作品なので、無理なく読めるでしょう。
今でも、2階と3階には休憩用の座敷があり、浴衣が用意され、天目に載せられた茶と菓子(かわらせんべいでした)が供されます。
もちろん、現在では、遊郭はありませんし、頭を洗ってくれる人はいませんが。
★ちょうど行きの飛行機の機内誌を見ていたら、浅田次郎のエッセイに、温泉は湯温・泉質・湯量の3つが大切だと書いてありました。湯量については、湯船の深さでわかるそうです。道後温泉の湯舟は漱石も言う通り、深いものでした。
お薦めポイントその3・・・市内が狭い
松山市は狭い街です。
松山空港からは車で30分ほど離れていますが、松山駅・松山市駅・大街道・道後温泉を路面電車が結んでいて便利です。
実は、「坊ちゃん」にもあるように、市内中心部から道後温泉までは歩いても30分ほどです。
宿泊するのなら、「大街道」周辺をお薦めします。
「大街道」と呼ばれるアーケード通りが、町一番の繁華街です。「松山駅」「松山市駅」周辺よりもにぎわっていますので、宿泊するならこちらでしょう。
「大街道」入口付近に宿をとると、そこから目の前の路面電車で温泉に行くのに便利ですし、少し歩くだけで松山城に上るロープーウェイに乗れます。
お薦めポイントその4・・・松山城
私は歴史好きですが、とくに城好きというわけではありません。しかし、この松山城は必見だと思いました。
松山城は、「現存12天守」と呼ばれる、江戸時代までに建造された天守が残る城の1つです。
火災や空襲により全ての建築が残ったわけではありませんが、昭和に入ってからの再建では、江戸時代のままの姿が上手に再現され、実際に行ってみると、どれがオリジナルで、どれが再建された部分か区別がつかないほどです。
城内をめぐるだけで、タイムスリップした気分が味わえる貴重な城郭です。
また、桜の木がずいぶんありましたね。桜の季節は見事な景観だと思います。
◆ロープウェイは片道で十分
もちろん歩いて登れますが、けっこうな登りですので、行きだけでもロープウェイを利用することをお薦めします。しかし、大した距離ではないので、下りは歩きでよいでしょう。片道なら270円ですみますし、往復券を買うと後悔します。私は後悔しました。
◆天守閣と二之丸史跡庭園は別料金
天守閣の観覧料は大人520円ですが、その価値は十分にあります。むしろ安いくらいです。
しかし、そこから離れた二之丸史跡庭園に行くと、別途200円とられます。
どうしてそういう姑息なことをするのかわかりません。
ほとんどの人が、大街道近くの東雲口からロープウェイ(or歩き)でアクセスします。天守を満喫した後、帰ろうとすると「二之丸史跡庭園」という看板と矢印が目にはいるのですね。それは行ってみますよね。
二之丸史跡庭園に行くためには、山を下りる必要があります。けっこうな下りを一気に降りると、やっと庭園入口にたどりつくのですが、そこで200円が必要となります。
私が行ったときは、スタンプラリーをやっていました。城内5か所にキャラクター化された武将のパネルがあり、そこにあるQRコードを集めると、何か景品がもらえるというものです。やりますよね、普通。
天守で順調に集めるデジタルスタンプですが、最後の5人目のパネルは、例の二之丸史跡庭園内にあるのです。
なんと姑息な!
別に200円は惜しくはないですし、最初からセット料金、例えばセットで1000円にでもしてくれれば気持ちよく支払うのですが、この姑息さが気に食わないので、私は入りませんでした。
天守は「戦い」の拠点ですが、こちらの庭園は、藩主と家臣の生活の場の跡となっています。さらに調べてみると、「恋人の聖地」なのだそうです。
良かった、行かなくて。
さて、ロープウェイ往復券を買ってしまうと、ここから再び山を歩いて登り、下りロープウェイに乗るという意味不明なことをしなくてはなりません。二の丸公園入口は県庁のすぐ裏で、そこから大街道は見えています。私は下りチケットを捨てました。
せっかく見事な城なのですから、もう少し観光客に寄り添った姿勢がほしいものです。
(もちろん事前の下調べをしておかなかった私の落ち度です)
お薦めポイントその5・・・鯛が美味しい!
松山城も道後温泉も歴史をほこりますので、単なる温泉旅行ではない、歴史を味わう旅になるところが魅力なのですが、やはり食も気になります。
愛媛といえば、鯛とみかんですね。
みかンジュースが蛇口から出てくるお店もあり、これはこれで面白いのですが、やはり愛媛なら鯛を食べたいものです。
もうそこら中に、鯛めしを売りにする店があります。
どうやら、鯛の炊き込みご飯と、鯛の海鮮丼に2分されるようですね。
このお店では、だし汁に卵を溶いて、そこに鯛の刺身をまぜ、ご飯にのせていただきます。ご飯はお櫃で出てきて、さらにお代わりもできます。有料ですが、鯛の増量もできます。
鯛はプリプリで絶品です。
このお店は、ロープウェイ乗り場近く(本店)と道後温泉に店舗がありました。実は両方入ったのですが、本店のほうが鯛の量が少なかった気がします。値段は一緒です。
おそらく両方入る観光客はいないことを見込んでいるのでしょう。
せっかく絶品の鯛なのに、どうしてこういう姑息なことをするかなあ。
美味しかったからいいけれど。
お勧めポイントその6・・・土産に困らない
愛媛といえばみかん。みかんを使ったゼリーやスイーツが豊富です。その他、お土産用鯛めしセットなどもよいですね。
日本でも海外でも、私は地元系のスーパーを探索するのが大好きです。東京では見かけないような地元の食材が楽しいのです。
今回私が買ったのは、この3つです。
◆じゃこ天・・・地魚の揚げかまぼこですね。美味しいです。
◆松山揚げ・・・乾燥した油揚げといったところでしょうか。3ミリ厚に豆腐をスライスし、圧縮して水分を抜いてから揚げて作られるのだそうです。常温保存できます。汁物に入れると、お麩と油揚げの中間のような独特の食感で美味しいです。
◆伊予みそ・・・麦みそです。お店で出された味噌汁がとても美味しかったので、スーパーで買い込みました。
2泊もすれば(1拍でも)十分満喫できる道後温泉、お薦めです。
★実は松山空港は国際空港です。釜山・ソウル・台北に定期便が就航しています。
そのため、韓国・台湾(おそらく)から来ている方が大勢いらっしゃいますね。欧米からの観光客は見かけませんでした。これだけの魅力あるところですので、そのうち欧米から来る方も増えると思いますが。