同じ小学校で仲良くしていたA子さん、受験はどうだったのかしら?
同じ塾の学校別対策コースにいたB太君、うまくいったのかな?
気になりますね。
しかし、うまくいっていたのかどうかわからないので、こちらからは連絡しづらいものです。
先方も同様に考え、連絡をしづらいでしょう。
これについてのアドバイスを整理します。
自分の子どもが第一志望校に見事合格した場合
ああ、これは言いたいですね。
大声で自慢して歩きたい気分です。
その気持ち、よくわかります。
しかし、どうしたものでしょう?
片端から電話しますか?
SNSに書きまくりますか?
まさか「うちは旧正月なもので」といって合格を知らせる年賀状を出すわけにもいきません。そもそも2025年の旧正月は1月29日です。
(1)伝えたい相手が中学受験と無関係な場合
相手に受験学年のお子さんがいないのなら、とくに問題はありません。
あ、去年受験してうまくいかなかった、そうした方には気を遣いましょう。
それ以外なら、すぐに連絡し、一緒に喜んでもらいましょう。
(2)伝えたい親戚に中学受験学年の子がいる場合
この場合は、連絡するのは待ってください。
連絡するとしても、2月15日くらいまでは待ちましょう。
主要校は「集合日」を設けています。2月11日(祝)です。
この日に、「制服採寸」「入校説明会」といった名目で、進学予定者を全員招集するのです。
たとえ入学金・学費を納入済だとしても、本当に進学するかどうかは確定できません。複数校合格し、両方に入学金を納めていながら、どちらかをキャンセルする家庭というのが必ずいますので。
だから、同一日に集合日を設け、そこに来なければ「進学しない」と確定できるのです。そこから、補欠繰り上がり合格の連絡をとることになります。この連絡に数日かかるとして、まあ15日くらいになれば、補欠繰り上がり合格も一段落するでしょう。
それくらいまで待つのが最低限の礼儀というものです。
(3)小学校の同級生(中学受験組)に伝えたい場合
これは難しいですね。
なにせ相手はうまくいったかどうかが不明なのです。
おそらくは、どの中学を受験したのかも不明だと思います。
これは、「連絡しない」が正解です。
相手がうまくいかなかった可能性がある以上、これが礼儀です。
それきり疎遠になったとしても、とくに問題はないでしょう。そもそも進学する学校が違えば、いずれ疎遠になるものですから。
もし進学校が異なってもお付き合いが続くような間柄なら、いずれ自然にどこかのタイミングで連絡を取り合うことになるはずです。それを待てばよいのです。
それでもどうしても「うちの子受かったよ!」と言いたい場合の奥の手をお教えします。
小学校のママ友に、「スピーカー」と呼びたくなるような方はいませんでしたか?
悪意のあるスピーカーでは困りますが、とくに悪意もなく、いろんな人の噂話に通じている方って必ずいますよね。
その方に、連絡すればいいのです。いずれお子さんの「合格」情報は拡散し、向こうから連絡が来るはずです。
(4)塾友に伝えたい場合
これも、「連絡しない」が正解です。
これは親も子も同様です。
そもそも第一志望校に合格した子のほうが少数派なのです。
まだ傷が癒えていない相手に「自慢連絡」するということは、傷口に塩を塗りたくる行為に等しいですね。
もちろん、塾に問い合わせないでください。教えるはずがありませんので。もし気軽に他の受験生の合否を教えてくれる塾だとしたら、通ってはいけない塾だったということです。手遅れですが。
同じ学校に進学したのなら、集合日や制服採寸で会えるでしょう。違う学校に進学したとしても、今時の子どもたちは、塾友LINEなどやっていますからね。いつのまにか伝わるものです。
自分の子どもが第一志望校以外に進学した場合
上と全く同じアドバイスになります。
不合格だった第一志望校への未練を瞬時に捨て去り、「進学校が第一志望校」にならなければいけないからです。
経験上、子ども本人よりも親が引きずっていますね。その親の「ネガティブな思い」は子どもにも伝わります。
進学先が決定した瞬間、「もう最初からこの学校だけ受験してもよかったくらい!」と全力でお祝いモードに入ってください。
子どもを使わない
たまに、いやよくいるのです。子どもに他の子の合否を探らせようとする親が。
最低です。絶対にやらないでください。
同じ塾・小学校だった仲良しのA子さんとB太君。B太君は第一志望校に合格しました。B太の母親は、塾でも常にトップレベルの成績だったA子さんの結果が気になります。
「ちょっと、A子ちゃん、受験どうだったか聞いてきなさいよ」
「え~っ、そんなの聞けないよ」
「どうして? 塾でもいつも成績表見せあってた仲じゃないの」
「そうだけどさ。何て聞けばいいんだよ?」
「そんなの気軽に聞けばいいのよ。どこ進学するのって」
「A子ちゃん、どこの中学行くの?」
「何であんたにそんなこと言わなきゃなんないのよ!!」
物凄い剣幕でキレられたそうです。
A子ちゃんは、周囲の予想を裏切り、第一志望校は不合格だったのでした。
A子さんの傷が癒えてくれば、自然に進学先を伝え合うこともできたでしょうに。お互いの中学の文化祭など訪問しあったりする仲になれたでしょうに。
他人の受験結果を知りたい理由
良く考えてみれば、他人の受験結果を知ることにどんな利点があるのでしょう?
単に好奇心が満たされる、それだけなのです。
そこで、アドバイスを簡単にまとめます。
◆もし同じ中学校に進学したのなら、学校で出会えます。
◆もし違う中学校に進学したのなら、いずれ縁遠くなります。
◆もし今後もお付き合いが続くのなら、いつのまにか連絡を取り合うようになります。
つまり、急いで相手の受験結果を知る必要はない、ということなのです。
私の生徒のある子は、入学式の日に学校の校門前で制服を着て写真を撮りました。
その写真を、学校名はわからないように加工して、翌年の年賀状の家族写真の横に小さく載せたそうです。
中学受験に興味のない方は、「ああ、あの子ももう中学生になったのか」という感想を抱くだけです。
中学受験を知っている方は、「あれ、この制服、もしかして〇〇中学に合格したんだね」とわかります。1年も経っていれば、万が一同じ中学校に不合格だった友達がいたとしても、傷は癒えているはずです。
嫌味にならない程度に、さりげなく「自慢」するうまい手かもしれません。