中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

中学受験が終わったら子どもに与えるスマホ・タブレットPC・PCについて

私はデジタル機器の専門家ではありませんが、職業柄、小中学生がどんな機器をどのように使っているのかについては詳しくなりました。

今回は、受験が終わったお子さんにスマホやPCを買い与える際のアドバイスをいくつか書いてみます。

 

スマホの与えかた

 

さすがに、スマホを与えないという選択肢はなくなりました。

学校の連絡やクラブ活動の連絡など、スマホが前提となっています。

また、電車に乗って学校まで通うのですから、居場所確認やトラブル回避、経路検索等でも必要です。

 

受験が終わったタイミングで買い与え、4月の中学校スタートまでの間に「正しい」使い方を徹底するのがよいでしょう。

 

◆機種について

 iPhoneandroid、どちらでも同じです。ご家庭でご両親が使われているのがiPhoneandroidかで選ぶことになりますね。

 親のお古のiPhoneで十分なのですが、せっかくのご褒美を兼ねて、新しいものを買ってあげたいところです。

 私がお勧めするのは、安いSIMフリー機種のアンドロイド、例えばOPPOとかmotorolaとかXiaomiあたりの廉価版機種です。

 こうした機種を使ってみると、日本の製造業が勝てない理由がよくわかります。

2万円程度のローエンドモデルでも、ひと昔前のiPhoneを上回る性能があり、十分すぎるほどです。

 ハイエンド機種との違いは、CPU性能と画面の美しさ、カメラ性能、そしてメモリー容量になります。ゲームをやるのでなければ高性能なCPUは不要ですし、画面が美しいといったところで、所詮スマホの小さな画面ですから。またカメラ性能についても、自撮り程度に高性能なカメラはオーバースペックですし、動画を大量に保存するのでなければメモリーも多くは必要ありません。

 あくまでも中高生の使用に限れば、高性能・高価格な機種は不要です。

 ただ、その中でなるべく画面サイズの大きいものをお勧めします。

 どうせスマホはポケットにはもはや収まるサイズではありません。鞄にしまうことになります。また、PCやタブレットがあっても、子どもたちはすぐに調べものでスマホを取り出します。それなら、少しでも画面サイズが大きいほうが使い勝手が良いでしょう。

 

◆買い方

格安SIM会社との契約をおすすめします。

理由は、安いからです。

私自身、かつては大手キャリアと契約していましたが、MVNO、いわゆる格安SIM会社に切り替えたことで、通信料金が1/4になりました。変な契約縛りもなく、好きな機種をネットで買っています。

容量は、月に2ギガもあれば十分です。もしそれ以上必要なら、使い方に問題があるとみなすべきでしょう。

生徒によると、普段学校と塾の往復をしている程度なら、1ギガも使わないと言っていましたね。月末になると、余った容量使い切りユーチューブ祭りと称して、帰りの電車内で動画を見て容量を使い切るのだそうです。また、ディズニーランド等に出かけるときだけは、1ギガくらい増やしてもらうのだとか。

IIJmioの価格を調べてみると、2ギガで月額850円でした。

 

◆使用制限

iPhoneならペアレンタルコントロールandroidならGoogleファミリーリンクで必ず使用を細かく制限してください。

 〇1日上限使用時間

 〇深夜以降の使用制限

 〇アプリダウンロードの許可制

 〇GPS設定

最低でもこれらの設定は必須です。

スマホは麻薬です。

子どもが自律的に使用を控えることは不可能なのです。

 

◆学校の方針

持参禁止・学校内では電源OFF・スマホはロッカーにしまわせる

こういった制限をしている学校が大半です。もちろん好き勝手に使わせる学校もあります。

進学予定の学校のルールを守らせることは当然です。それを破ったら、学校ではなくて親がスマホを取り上げるべきですね。

 

◆家庭のルール

 会話中・食事中に触らせないのは当然ですが、寝るときにベッドに持ち込ませないのも重要です。深夜までYouTube→朝起きられない→学校で居眠り→成績下降、容易に想像できる未来です。

 

中学受験の話ですが、3日後に入試を控えた生徒(まじめで優秀な生徒でした)が、親に隠れてYouTubeを長時間見ていることが発覚し、親が激怒したことがありました。

それほどの中毒性があるということです。 ほぼ麻薬です。

 

※細かいルール等についてはこちらに詳しく書いています。

peter-lws.hateblo.jp

 

PCの与え方

 

家族共有のPCでもよいでしょう。

ただ、レポート作成→提出など、専用のPCがあったほうが何かと便利ではあります。

ノートPCを考える方が多いですが、私がお勧めするのはデスクトップPCです。

◆画面が大きい・・・ノートPCの画面サイズは13.3〜15.6インチ程度です。14インチ以下がモバイルノートPC、15インチくらいでスタンダードノートPCという位置づけです。17インチともなると、大画面と呼ばれるようですね。

デスクトップPCのモニターなら、小さいとされるもので19インチです。21インチ~23インチくらいが普通です。

仕事でPCを使われる方なら賛同いただけると思うのですが、画面の大きさは正義です。複数のウィンドウを立ち上げられるかどうかは作業効率に大きくかかわります。

◆キーボード・・・ノートPCのキーボードは打ちにくい。とくに大量の文書作成ではフルサイズのキーボードが必須です。もしノートPCしか無いのなら、せめて無線キーボードを別途用意しましょう。

◆マウス・・・ノートPCのタッチパッド、あれは使いやすいのでしょうか?

もしそんなに使い勝手に優れているのなら、デスクトップPCもタッチパッドを使う方がいそうなものですが、見かけませんね。

つまりマウスのほうが使いやすいということなのでしょう。

◆姿勢・・・私がノートPCが好きでないのは、その姿勢にあります。どうしても背中を丸めて画面をのぞき込むようにして使うことになるのです。思春期の子どもにとても勧められません。どうしてもノートPCを使うのなら、PCスタンドで画面の位置を最適にし、無線キーボードを使うしかないでしょう。

 

◆機種選定

これは何でもかまいません。私はBTOパソコンをメインで使い、サブとして中華製のミニサイズPCを大型モニターに接続して使っています。この中華性ミニPCは、安くて性能も悪くないので、もう3台も買ってしまいました。そのうちの1台は2年で死にましたが、残り2台は快調です。

そこまでのリスクを取りたくないのなら、EPSONやDELLのものが安く出ていますね。

あるいはいっそのことノートPCをデスクトップとして使用するのも良いと思います。本棚の隅にでも入れておいて、別途モニター・キーボード・マウスを接続するだけですから。

 

★学校の指示

 学校によっては、ノートPCを全員に買わせるところもあります。これはもう従うほかありません。せめて自宅では、外付けモニター・キーボードを使わせてあげましょう。

 

タブレットPCの与え方

 

 不要です。

子どもに与えるのにちょうど良さそうな錯覚を覚えますが。でもよく考えてみましょう。 

持ち歩き端末としてはスマホに劣ります。非持ち歩き端末としては、デスクトップPCはもちろん、ノートPCにも劣ります。

要するに、中途半端すぎるのですね。

いろんなことをなんでもできるけど、どれも平均点以下、それがタブレットPCです。

私もタブレットPCは複数台使っていますが、使い道は限定的です。

 

◆寝転がって動画鑑賞

◆寝転がってネット検索

◆旅行先でネット検索

◆旅行先で動画鑑賞

 

以上です。

仕事をするならデスクトップPCの前に座りますし、普段出歩く際にはスマホで十分ですから。ただし、海外旅行にはiPadminiを必ず持参します。これに折り畳みキーボードがあると、なんとかなるからです。

 

★学校の方針

 学校によっては、生徒全員にiPadを購入させるところも多いですね。それはもちろん学校に従うだけです。ただし、ベッドに持ち込ませないのはスマホと同じです。

 

ブラインドタッチ

 

同じことをあちこちで書いていますが、ブラインドタッチのタイピングは必須のスキルです。

おかしな癖がつく前に、マスターすべきでしょう。

 

結局は

ところで、生徒にリサーチしたところ、学校指定(共同購入)のノートPCかiPadが自分専用だけれど、様々な制限がかけられていて勉強に関すること以外には使えないとぼやいてる子が大半でした。自分専用はこれだけで、後は家族共有のノートPCがあるそうです。調べものもウーチューブもほとんどスマホで済ませているとか。

だいたいこんなところなのでしょうね。

 

PCの選び方については、こちらで詳細に書いています。

peter-lws.hateblo.jp