中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】過去問を解こう! あと2か月の鉄則

受験まで残り2か月を切りました。

志望校も確定しましたね。

願書も準備中です。

写真も撮りました。

志望校近くのホテルも予約済です。

そして、志望校合格に必要な学力も見につきましたね。

最後の項目だけ、首を横に振る方が大半でしょう。

この時期になると、おもにネットで怪しい情報が飛び交うのです。

今回は、そうした情報に惑わされないよう、残り2か月の学習法の鉄則を伝授します。

 

Q:社会科だけ偏差値が10以上低い。どうしたらいい?

とあるネット掲示板で見かけました。

この社会科を他の教科に入れ替えると、多くの方に当てはまりそうな悩みです。

 

4科目の総合偏差値でも第一志望校に届くかどうかは難しい。まして足を引っ張る教科があるようでは、不安しかない。

ここから2か月、何を勉強したらいいのだろう?

 

怪しいネット掲示板で質問をしているくらいですので、次の2つが推測されます。

◆ネットリテラシーーがゼロ

◆それほど追い詰められている

 

そもそもネットに相談している時点で論外です。

しかし、もう藁をも掴む思いなのかもしれません。

それに対する無責任な輩たちの書き込み・アドバイスがまあひどいこと。

何の参考にもならないばかりか、害毒にしかならないものばかりです。

私はなるべくこうした掲示板を見ないようにしているのは、そうした害毒を見たくないからなのです。

もちろん書きこむことはあり得ません。

 

そこで、この場を借りて、正しい学習法をお伝えします。

 

その前に、やってはいけない学習法について説明します。

 

やってはいけない学習法

◆書店で新しい問題集を買ってくる

絶対NGです!

書店の参考書コーナーに行くと、魅力的なタイトルの本が並んでいますね。

「1か月で合格点を取る!」

「すいすい頭に入る!」

「入試に出る順」

「これだけマスター」

といった雰囲気の本たちです。

もうこれさえマスターすれば、何とかなるような錯覚を覚えます。

そうです。錯覚です。

そもそもそうした錯覚を与えることで成り立っている商売ですので。

 

塾のテキスト・テストの総復習

 

もしかして今までの塾のテキストとテストを全て保存しているのでしょうか。

そして、それを今から総復習させようと考えているのでしょうか。

無理です!

時間が足りません。そもそも3年かけて学んできた内容を2か月で復習できるはずありません。

しかしながら、多いのですよね。

過去に使ったテキスト類を大切にとっておいて、苦手分野の復習に使おうとする方が。また、それを推奨する塾教師も大勢(たぶんほぼ全員)いますね。

 

大切な観点が抜け落ちています。

子どもは、一度やった教材をやりたがらない

これです。

1冊のテキストをボロボロになるまで使いこなすことが大切だというのは、大学入試の発想です。それも最近は違ってきています。

 

知識の暗記本を完璧に仕上げる

 

理科・社会ですね。

・メモリーチェック(日能研

・コアプラスSAPIX

・四科のまとめ(四谷大塚

こういった、知識反復暗記系の教材というのが、どこの塾でも用意されています。

これを何度も繰り返し完璧に仕上げよう。

とても大切な学習法です。

1年前ならば。

 

もう入試まであと2か月というこの段階で、まだこんなことをやっているようでは手遅れです。

 

今大切なのは、もっている知識を活性化させることであって、新たな知識を暗記することではないのです。

 

※漢字は別

国語で唯一確実な得点を見込めるのは漢字です。

覚えるべき漢字はたった1026字です。

もちろん漢字単独で覚えてもしかたがない。意味がわかる熟語として習熟する必要があります。

これは毎朝10分間と時間を定めて取り組みましょう。

 

※計算練習は別

これも毎日練習が必要です。

いわばピアノでいえばハノンのようなものですね。

プロのピアニストでも、毎日必ずハノンをさらうという人がいると聞きました。

 

基本問題の反復

 

基本問題をいくら繰り返しやったところで、入試には通用しません。

入試には応用問題も出るからです。

再びピアノに例えると、ツェルニー100番をいくら徹底的に練習したところで、リストの「マゼッパ」は弾けるようになりません。

 

※例外

基本問題しか出題しない学校を受験する場合と、帰国生入試でやはり基本問題しか出ない場合は別です。

 

やるべき学習法

 

残り2か月を切った今、やるべき学習はたった1つです。

 

過去問を解く

 

これです。

 

ここで言う過去問とは、受験校の過去問とは限りません。

多種多様な学校の入試問題を解き、多種多様な問題にぶつかることで、得点力がつくのです。

今からとりくめば、50本程度の入試問題が解けるでしょう。

1本というのは、1つの学校・年度の入試問題4教科分を1本と数えています。

 

時間を正確に測ってやらせてください。

そして答え合わせ・間違い直しをねちっこくやってください。

 

安定した得点力をつけるためにはこれしかありません。

 

※注意

志望校の過去問を何度も繰り返すことは無意味です。

もしそうした指示を塾からされたとすれば、従う必要はありません。間違っていますので。

前述したように、子どもは一度やった問題を繰り返すことが苦手です。その苦手なことを強制したところで、吸収できるものは非常に少ないのです。

 

 

残り1か月の学習法についてはこちらをごらんください。

peter-lws.hateblo.jp

 

過去問演習のやり方についてはこちらに詳しく書いています。

peter-lws.hateblo.jp