志望校を考えるとき、皆さんなら何を重視しますか?
今回は、志望校選びに大切な5つの要素について考察します。
本人の成績
まずはここをスタートラインとする方も多いでしょう。
しかし、ちょっと待ってください。
お子さんは今何年生ですか?
もし6年生で、受験直前ならこの記事を読む必要はありません。
もし5年生で、受験まで1年以上あるのなら、まだ成績は上下します。
もし4年生以下なら、正直いって今の成績が2年以上持続するとは考えられません
大きく化ける可能性はまだまだあるのです。
もちろん、上にも下にも。
現時点での成績だけを見た学校選びは以下のような問題を生み出します。
(1)入り易そうな学校ばかりに目が向く
別に偏差値が高いからよい学校、低いから良くない学校、そんなことはありません。
偏差値というのは、あくまでもその学校を志望する生徒達、そして合格した生徒達の成績の目安を反映しているだけだからです。
そうはいっても、魅力的に見える学校の多くが高偏差値であることもいえるでしょう。
例えば4年生の段階で、偏差値が50くらいの成績のお子さんだったとして、それでは偏差値60以上の学校を志望するのが無謀ということには全くなりません。
それなのに、50を頂点として、40以下の学校ばかりを選ぶ必要もないのです。
(2)上のレベルの学校ばかりに目が向く
親としては子どもの可能性を信じたいですね。塾の先生もまだまだ成績は上がると言ってくれた。そこで、上のレベルの学校の説明会だけにしか行かない。
これもまた困ります。
全ての子どもの成績が上がるということはあり得ません。順位を上げる子がいれば、必ず下がる子もいます。自分の子がその例外になると考える根拠はないのです。
子どもの成績がこれからの1年、2年で、上がる可能性も下がる可能性も両方考慮して学校を選んでいかなくてはなりません。
学校のレベル
受験生の親はみな、毎日のように「偏差値表」をながめてはため息をつくものです。
やはり偏差値が上の学校ほど良い学校なのだろう。
どうしてもそう考えてしまいます。
それは正解でも不正解でもあります。
偏差値の高い学校というのは、その学校を目指して努力して合格した受験生たちの努力値を反映していることは確かです。しかし、それがそのまま学校の教育内容を反映しているともいえません。
入試難易度は高いのに教育内容に見るべきものが無い学校もあれば、その逆もあると思います。
学校の環境
これはとても重要です。
◆通学時間
毎日、6年間通う学校です。通うのはお子さん本人です。通学があまりにつらければ、それだけで通うのが嫌になってしまうかもしれません。
一般に通学距離は片道1時間程度と言われています。もちろん1時間半ではダメという意味ではありません。しかし、通学時間は短ければ短いほど良いのも事実です。
あるご家庭は、お子さんが合格した後、学校まで歩いて行ける距離に引っ越しました。とても羨ましいですが、千代田区や港区など気軽に引っ越しにくい(つまり高い!)エリアの学校ではなかなかそうもいきませんね。
それでも、自宅から少しでも通いやすい学校を選ぶのは正解です。
◆周辺の環境
多くの学校が「文教地区」に立地しますが、繁華街に立地する学校もありますね。できれば落ち着いた環境の学校を選びたいところです。
ただし、学校内に一歩入ってしまえば周囲の環境はどうでもよいという考えも成り立ちます。
◆設備
音楽ホールが立派な学校、グラウンドが広い学校、プールがある学校、体育館が複数ある学校、理系の教室が充実している学校、こうした点も考えたい要素の一つです。
ただし、こうした設備に目を奪われ過ぎるのも要注意です。
どの学校も生徒集めに注力しています。新興校はもちろん、伝統校も同じです。
目に見える施設の充実は、対外アピールポイントになりやすいのです。
陽光のふりそそぐカフェテリア、ロビーのラウンジ、そうしたものは素敵ですが、教育の本質とは異なります。
教育理念
私立を選ぶということは、その学校の教育理念を選ぶこととイコールです。
いったいどのような思いで誰がつくった学校なのか。
その理念が今どのように継承され実践されているのか。
ここを無視した学校選びはあり得ません。
大学実績
せっかく中高一貫校に進学したのに、大学進学に苦戦するのは避けたいですね。いくら本人の努力次第とはいえ、周囲の生徒・教師からの影響は大きいものです。
学校に通う生徒の様子を数値化することは不可能ですが、大学実績を見れば、そこの生徒達の努力値が見えてきます。
「わが校は世界に羽ばたく人材を育成し、グローバル化・・・・・」などと耳心地の良い言葉を説明会で話している学校なのに、海外大学どころか国内の大学実績もひどかったら困りますね。それくらいの教育内容であり生徒達であることが推測されてしまいます。
大学実績と偏差値の関係については以下の記事で考察しています。