
※この記事の初出は2024.11.15です。2028.09.11にUPDATEしました。
みなさんはプリンターはどんなものをお使いでしょうか?
今回は、中学受験に役立つ、プリンターの選び方について記事にします。
※この記事では、レーザープリンターにLEDプリンターも含めます。使う分には、区別がつきませんので。
- プリンターの2種類
- 中学受験家庭でよく使われている機種
- 私がインクジェット複合機をお勧めしない理由
- お薦めなのはレーザープリンター(LEDプリンター)
- 結論
- 中学受験生がプリンターを必要とする場面
- 最近のインクジェットは知らない
プリンターの2種類
プリンターには2種類あります。レーザープリンターとインクジェットプリンターです。それぞれの違いを簡単にまとめます。
◆レーザープリンター
・インク・・・トナー(粉末状)
・トナーを吹き付けたドラムを使い紙に熱で圧着
・早い・・・25~40枚/分
・細かい線がはっきりしたシャープな仕上がり
・モノクロ専用機は安いがカラー機は高い
・複合機はオフィス用
◆インクジェットプリンター
・インク・・・細かい液状のインクを紙に吹き付ける
・遅い・・・15枚/分
・細かい線はにじむがカラー印刷に向く
・安い
・家庭用
オフィスで使われている物は全てがレーザープリンターです。インクジェットプリンターはビジネスでは使いません(一部個人事業所は別ですが)。コスト・耐久性・仕上がり・スピード等全てにおいて、インクジェットプリンターでは仕事に使えないからです。その代わり、インクジェットプリンターは家庭用に向いています。印刷枚数がそう多くはなく、スピードも必要としない。おもな用途は年賀状印刷や写真の印刷程度。たまにプリントする時に家にプリンターがあると便利。そういう需要向きなのですね。
さて、中学受験家庭の需要は、どちらの用途になるのでしょうか?
家庭での使用には違いないのですが、年賀状が目的ではありません。どちらかといえば、白黒のプリント類の大量印刷に使いたいのです。
中学受験家庭でよく使われている機種
中学受験関連のブログでは、「中学受験三種の神器」として、A3対応のインクジェット複合機を薦めている方がほとんどです。というより、ほぼ全員がこれを薦めています。
選択肢としてはエプソンとブラザーになるのですが、ブラザーのものが人気のようですね。
◆A3スキャン&プリント
◆2段トレイ
これを供えた機種が、4万円台で買えるのです。
今Amazondで価格をチェックしたら、49380円でした。昨年よりも値段が上がっていますね。MFC-J6983CDWという機種なら4万円前後で見つかりましたが、ブラザーのHPに無い所を見ると型落ちなのだと思います。
型落ちでも全く問題は無いと思いますが、インク等のリニューアルがあると少々厄介です。そこはご確認ください。
良い時代になったものです。
しかし、私はお薦めしたくないのです。
それは、私が天邪鬼だからという理由だけではありません。
私がインクジェット複合機をお勧めしない理由
理由その1・・・インクが詰まる
複合機には致命的な問題があります。
経験上、プリンター部分が先に使えなくなるのです。
そうすると、ただの「大きすぎるスキャナー」が残ることになるのです。
これは「家庭用」の宿命のようなものです。もともとが、大量印刷を想定して作られてはいないのですね。だから価格もそれなりです。定期的なメンテを業者が行う業務用とは異なるのは仕方がありません。
ただしこの「壊れやすさ」に関しては、個人差があるのでしょう。私のようなハードな使用には適さないというだけで、家庭用なら問題はないのかもしれません。
それにしても、インクジェットプリンターには致命的な問題があります。
必ずインクが詰まるのです。
試しにネットで、「インクジェットプリンター インク詰まり」と検索してみてださい。実にたくさんの「インク詰まり解消法」が紹介されています。
ノズルクリーン機構もついていますが、気休めですね。大量のインクを消費するだけで抜本的な解決にはなりません。
よく、純正インクなら大丈夫だとも聞きますが、そんなことはありません。
毎日使っているとインク詰まりしにくいともいいますが、そうそう毎日プリントするものもないのです。
「そんなに使わないから安いものにしよう」と考えてインクジェットを選ぶと、使わない間にインクノズルが目詰まりして、いざ使用とするときに使えません。
高価な機種も安い機種も同じです。
私は、このインク詰まりによりまともにプリントできなくなったため、過去10台近くのインクジェットプリンターを捨ててきました。
そしてついに決断に至りました。
もう二度とインクジェットプリンターは買わない!
理由その2・・・・インクが高すぎる
インクジェットプリンター、妙に安いですね。
スキャナーまでついているのにこの価格。あきらかに製品と価格が見合っていません。
これが、いわゆる「インク商法」とよばれるものなのはご存じかと思います。
本体を安く販売し、高価な純正インクで利益をあげるビジネスモデルです。
純正インクを使わず、互換インクを使うと保証が切れることになっています。
◆高価な純正インクを使うのか
◆保障切れ覚悟で安い互換インクを使うのか
この2択を迫られます。
経験上、安い互換インクでも問題なかったですし、高価な純正インクでも別にプリンターが長持ちすることもありませんでした。
そもそもメーカー保証は1年となっています。
何だか、「スマホ商法」とも似ていますね。
通信サービス会社(AU/DOCOMO等)では妙に安い価格でスマホを売っています。
1円スマホなどとよばれています。
もちろん周知のように、回線使用料で儲ける商法です。
私はそれが嫌なので、スマホは正規販売店で定価で購入し、別途MVNOと契約しています。
高価なスマホを買っても、だいたい2年以内で元がとれますね。
通信会社がどれだけ高利益をあげているのかがよくわかります。
この「互換インク会社」と「プリンターメーカー」は、過去何度も訴訟を繰り返しています。
2021年には、エレコム(互換インク会社)とブラザー工業が争い、エレコムが勝訴しています。
2024年には、エコリカ(リサイクルインク会社)とキャノンが争い、キャノンが勝訴しています。
プリンターメーカーとしては、安価な(たぶん赤字?)本体を買わせた後に高額なインクで利益をあげたいのですから、安い互換インクを買われてはたまらないのでしょう。あの手この手で「互換インク」を使わせないようにしているのがアリアリです。
理由その3・・・遅い
プリント速度が遅すぎます。
1分間に10枚程度でしょうか。
とくに、普段オフィスのプリンターの速度に慣れていると、耐えがたい遅さです。
レーザープリンターは、安いモデルでもその2倍~3倍の速度です。
料理の提供が遅い飲食店と行列が大嫌い(つまり待たされるのが大嫌い)な私としては、これだけで選ばない理由となります。
※今確認すると、ブラザーのインクジェット複合機では、A4カラーの印刷で、30枚/分とありました。これはなかなか早いですね! これならレーザープリンターに匹敵します。
理由その4・・・写真はプリントしない
インクジェットプリンターの優れている点は、その写真プリントの鮮明さですね。
しかし、よく考えみてください。
写真を自宅でプリントする機会ってそんなにありますか?
今や写真は、スマホで気軽に撮影し、スマホ上で見るだけの場合がほとんどです。
もう少し大きな画像で見たければ、PCやタブレットで見ればすみます。
どうしても紙の形状の写真にしたければ、コンビニのプリントサービスで間に合います。
つまり、インクジェットプリンターの最大の利点である「きれいな写真のプリント」がさほど必要ないのですね。
※どうしても自宅で写真入り年賀状をプリントしたい場合はインクジェットプリンターがよいのかもしれません。
私は、年賀状は印刷会社に発注しています。高級光沢紙で宛名入りで100枚刷っても三千円もしませんので。それでいて自宅プリントのクオリティとは比べ物になりません。
理由その5・・・滲む
インクジェットで印刷した文字は、水で滲みます。
手汗、マーカー、そうしたもので滲むのです。
勉強のためのプリントとしては致命的な弱点です。
※最近はだいぶ改善されたようですね。顔料系インクなら、ほぼ滲まないレベルまでになっているようです。ただし、「滲みにくい」のであって、「滲まない」のではないというのが私の理解です。
お薦めなのはレーザープリンター(LEDプリンター)
一度でもレーザープリンターの速度に慣れると、もうインクジェットは買えません。
写真は鮮明さが不足しているといわれていますが、そもそも写真をプリントする機会はほとんどありませんので。
インク詰まりとも決別できます。
何か月使っていなくても、問題なくプリントできます。
プリントに文字を書き込んでもにじみません。
練習用プリントを何枚も印刷するのも気軽です。
つまり、教材としてのプリントに適しているのです。
問題点は4つあります。
(1)家庭用の機種が少ない
もともとオフィス用のプリンターなので、本来はリース契約するのですね。トナーの交換やドラムのメンテナンスなども業者が担当するのです。
それでも、いくつか家庭用の商品が売られています。
ただし大半がA4対応機ばかりです。
スキャナー付きの複合機も少ないですね。
(2)大きい
構造上、インクジェットより大きく重くなります。これは覚悟が必要です。
(3)高価
インクジェットより、本体もトナーも高価です。
印刷コストも、少ない枚数なら安くはありません。
しかしこれも、安いインクジェットを何台も買い替えるよりはましだと思っています。
(4)消費電力が大きい
私はこれを欠点と感じていませんが、ここを問題視される方ならレーザープリンターは不適ですね。
結論
NEC・CANNON・ブラザー等の大手メーカーのA3対応カラーレーザー複合機を買えば、幸せなプリントライフ?が送れることでしょう。
私は、印刷速度と耐久性を重視したので、OKIのプリンターを愛用していますが、かつて使っていたNECも悪くなかったですね。このNECのプリンターは、OKIのプリンターが不調のときの予備として今でも繋いであるのですが、OKIがまったく不調にならないので、活躍する場面がありません。
しかもOKIは保証期間が5年です。
ただしこの複合機の問題点としては、部屋がオフィスっぽくなることでしょうか。リビングに設置すると「浮き」ます。(もっとも複合機が「オフィスっぽい」のはインクジェットも同様です)。
また、このタイプの機種は高価です。
価格を重視されるのなら、A4対応の白黒レーザープリンターなら、かなり安く買えます。それに1万円程度で買えるA4フラットヘッドスキャナーを組み合わせます。
それでも良いと思います。
学校教育現場ではB版が生き残っていますが、それでも教科書やプリント等、少しずつ国際規格であるA版に移行しています。
B5版ならA4版に余裕をもって印刷できますし、B4版なら、余白を最小設定にしたA4用紙に少し縮小(81%程度の縮小率)で印刷できます。
そう考えると、A4で間に合わない、A3までのプリントが必要な場面はそうたくさんないのです。
せいぜい入試問題の解答用紙のプリントくらいでしょうか。
そこだけキンコーズですますのも手ですね。
中学受験生がプリンターを必要とする場面
◆ネットで公開されている入試問題のプリント
これなら、A4でも問題ありません。少し文字が小さくなるくらいです。また、解答用紙についても、B4とA4、設定次第ではそこまで差は生じません。
◆入試問題集の解答用紙コピー
これも同様です。「原寸大」へのコピーにこだわる方も多いですが、無駄な労力だと思います。入試本番の紙のサイズに慣れることは重要ではないのです。
◆出願書類のプリント
これは大事ですね。今やWEB上であらゆる手続きができますが、入試については、紙での出力の場面も多いですから。もちろんサイズはA4で全て間に合います。
◆問題集や参考書のコピー
わざわざコピーする理由がよくわかりません。
こう考えてみると、A4でほとんど(全て)事足りるというのが私の意見です。
A4モノクロレーザープリンターなら、スキャナー付きの複合機でも、2万円以内で手に入ります。これが一番賢い選択かもしれません。
今Amazonで価格を見たら、13382円でした。
受験生のニーズを考えると、これが最もコスパの良い賢い選択でしょう。
最近のインクジェットは知らない
ここまで散々インクジェットプリンターを否定してきましたが、一つ白状しなくてはなりません。
もう私は何年もインクジェットプリンターを使ったことがないのです。
一生使わないと決意し、その後はレーザープリンターしか使っていないもので。
そのため、最新のインクジェットプリンター事情を知りません。
もしかして、私が指摘したような弱点は、とうの昔に解消されているのかもしれません。
そうだとしたらごめんなさい。


