今回もイギリス旅行ネタです。
ロンドン郊外を少しドライブしてきましたので、気付いたことなどを少し書いてみます。
右ハンドル・左側通行はありがたい
海外でレンタカーを借りる方ならわかっていただけますよね。
日本と同じ、右ハンドル・左側通行は実にありがたいです。
もっとも私は、アメリカでの運転に相当慣れています。
実は一時期アメリカの運転免許証を所持していたこともあるのです。
今でも、アメリカでレンタカーを借りると、車に乗り込んで走りだせばすぐに感覚が左ハンドル右側通行のルールに馴染みます。だから、フランスで運転したときも違和感はありませんでした。
今回は、むしろ逆に、「外国なのに日本と同じ」という感覚に違和感を覚えてしまいました。まあそんな違和感は瞬時に消えて、日本と同じ感覚で運転できるありがたさを実感しましたが。
また、交通ルールも日本とそんなに変わりません。どうやら日本が明治時代にイギリスの交通ルールを参考にしたとか。
そこで、レンタカーを借りてのドライブというのは悪くない選択肢です。
ロンドン市内で借り出すのはおすすめしない
どこの国でもそうですが、都市中心部の道路事情は最悪です。
観光客が運転していい所ではありません。
今回も、ロンドン市の外を起点として車を借りました。
それが正解だと思います。
ヒースロー空港でもいいですし、オックスフォード駅でもかまいません。市内を離れてから借りるのが吉でしょう。
今回は、Europcarというレンタカー会社を利用してみました。
ヒースロー空港を起点とします。
ロンドン市内とヒースロー空港の往復は、交通手段が複数あるので使い勝手は悪くないのです。車の台数も豊富ですので、借りたい車種が品切れということもめったにありません。
私はオートマもマニュアルも慣れているので問題はないのですが、普段オートマしか運転しない方がマニュアル車に当たってしまうという悲劇も避けられます。
空港内のレンタカーの表示に従って歩きます。外に出て道を渡ったあたりで、レンタカー会社のミニバスが巡回しているのです。
このやり方、海外の大きな空港でよく見かけるスタイルですね。
空港内にレンタカーのカウンターがあったとしても、車が置いてあるのは離れた所なので、そこまでバスで行くのです。また、カウンターもなく、直接バスに乗る場合も多いです。
予約はしてありましたので、Europcarのバスを待ちます。そして連れて行かれたのが空港に隣接している巨大な駐車場の一角の事務所です。
ここのスタイルは、まず自動受付機で受付をします。写真の手前に見えている黄色い看板状のものが受付機です。
そうすると順番待ちリストに番号が表示されます。自分の番になったらカウンターに行って手続きをするという段取りです。
手続き自体は万国共通ですね。
もちろん日本のように、エアコンを入れた車が出口に用意されているなどということはありません。駐車場の一角、教わった番号表示のところに停められている車を探して乗り込むだけです。
しかしこのほうが、ゆっくりと車のポジションを合わせたり、見知らぬスイッチをいじってみたりする余裕があるので私は好きですね。
そういえば、アメリカでよく利用するアラモレンタカーは、エコノミー・コンパクトと表示されたエリアに置かれた車ならどれに乗り込んでもよいという、なかなかアバウトなスタイルでしたね。もしコンパクトサイズが出払っていたら、ミドルサイズでもいいよ、同じ料金で、という実に適当な(良い意味で)システムです。
ここのEuropcarはそんなことはありませんでした。
そこで借りたのはこの車でした。
アイポイントが高い車のほうが運転しやすいですから。
借りたのはKIAの車です。
KIA(起亜自動車)といえば、ヒョンデ(現代)に次ぐ韓国第二位の自働車メーカーです。
そういえば現代自動車は、昔はヒュンダイといっていましたが、いつのまにかヒョンデに呼び方が変わっていますね。
どちらも海外のレンタカーではよく見かける車です。
その他、ヨーロッパでは東欧系の車もレンタカーでよく見かけます。
昔は、レンタカーで小型車といえば日本車が席巻していたのに、最近はめっきり見かけなくなりました。寂しい限りです。
さてKIAの車種については全く情報が無いのでよくわかりませんが、ボディサイズも大きくはなく運転しやすい車でした。
また、いわゆる「簡易カーナビ&ディスプレイオーディオ」の8インチの画面がついていましたので、これとスマホを無線接続し、安心と信頼のグーグルマップのナビ画面を大映しして利用できたのは便利でしたね。
※アドバイス
車に乗る前に、まずナンバープレートの写真をスマホで撮っておきましょう。
車でホテルにチェックインすると、必ず車のナンバーを聞かれます。しかし、数時間前に借りたばかりの車のナンバーなんて覚えていないですよね。
普通はキーに書かれていますが、手書きで判読不能な場合もけっこうあります。
そこで、黙ってスマホの画面を差し出せばよい、という作戦です。
さらに、大型ショッピングモールなんて行ってしまうと、自分の車を探すのに一苦労します。その際にも役立ちます。
海外でスマホを使うなら
大手キャリアの海外接続サービスを使われている方も多いと思います。
私は、スマホは買い切り、格安SIM会社を愛用しているので、海外に行く際には別途国際SIMカードを利用しています。
色々試した結果、現在では「Ubigi」というサービスに落ち着いています。
これはどうやらパリに本社を置く会社のようですね。
eSIMを利用しますので、空港でスマホの設定を切り替えるだけです。
価格は、国・地域・日数・容量で細かく分かれています。
ヨーロッパ 30日 10GB 8300円
イギリス 30日 10GB 1500円
ドイツ 30日 10GB 1800円
日数は、1日・7日・30日・1年
容量は、1GB・3GB・10GB・50GB・無制限
こうした細かい設定から自分に適したものを選びます。
行先・日程に応じて、細かく国ごとにプランを買って節約するのもよいでしょうし、面倒ならどんとヨーロッパプランにしてしまうのも良いと思います。
容量は悩むところですが、今やホテルでWiFiが飛んでないところは無いですからね。もちろんセキュリティが気にはなりますが。
普通にレストランや美術館の検索、地図検索程度なら、10日で3GBは使いきれないと思います。
もちろん足りなくなったら途中でいくらでも買い足せます。
今回はドライブでグーグルマップに繋ぎっぱなしにするので、10GBにしておきましたが、余裕でした。
ラウンドアバウトは最悪
ラウンドアバウトはご存じでしょうか。
交差点に信号がなく、ドーナツ状に道があって、時計周りに回りながら進むという交差点ですね。
慣れれば、信号がある日本式の交差点よりはるかに合理的で使いやすいそうです。
私には全くそうは思えませんでした。
あらゆる交差点がラウンドアバウト型式で、単に直進したいだけなのに、周囲に気を使って合流・車線変更を余儀なくされます。
交差点に差し掛かるたびに、ああ、またアレか、と舌打ちする思いです。
高速道路ほどのスピードが乗る幹線道路もこのスタイルですから、本当に神経を使います。
1時間に数台しか車が通らないような田舎の交差点なら合理的なのかもしれませんが、交通量の多い主要幹線道路のラウンドアバウトは事故多発じゃないのか、と疑っています。
さらに、交差点で赤信号のときって、地図を確認したり、お茶を飲んだりと、それなりに有効な時間だと思うのです。とくに見知らぬ土地を走るときには、赤信号で止まるたびに地図を確認する必要があります。カーナビも、運転中はそんなに注視できませんので。
運転中の赤信号って好きではないですが、あれのおかげで、ちょっとしたインターバルがとれてもいたのですね。首をゴキゴキと回したり、エアコンの調節をしたり、窓を開けてみたり。
ところが、このラウンドアバウトではそうした余裕は一切ありません。地図を見るどころかお茶を飲むなんてとんでもない、全集中力が必要です。
私は、ラウンドアバウトが大嫌いです。
制限速度が怖い
高速道路や幹線道路はいいのです。60マイル~70マイルの制限です。1マイルが1.6キロメートルくらいですね。
問題は田舎道です。
今回数日にわたって走り回ったコッツウォルズというのは、一言でいえば農村地帯です。畑の中をひたすら走る道ばかりです。
しかも道は広くはありません。日本でいえば農道ですね。車2台がすれ違える道幅ですらありません。場所を選んで左の車輪が舗装路から外れながらようやくすれ違う、そんな道ばかりなのです。
それなのに、なんと制限時速が60マイルなのです。
60マイルということは、およそ100キロメートルです。
日本でいえば、高速道路と同じです。
そこを、地元の人達が、制限速度で走っています。つまりとんでもない高速です。
めったにすれ違う車もない道路とはいえ、ブラインドカーブの向こうからいきなり対向車がそのスピードで突っ込んでくるわけですから、恐怖以外の何物でもありません。
あるいは、自分なりに一所懸命走っている(つまり道にふさわしいと思える安全速度を少し超えて緊張しながら走っている)のにもかかわらず、私の車の後ろには行列ができるのです。その都度、ハザードをつけて左に寄せて道を譲るのですが、そうしたスペースを探すのも一苦労です。
イギリス人はけっこう飛ばす、と聞いてはいたのですが、予想を超えていました。
もしこうした田舎道をドライブする予定なら、衝突しても平気な戦車を借りるか、あるいは小型車を借りるほうが良いとアドバイスします。中途半端な大型車でも借りると目も当てられません。
ああ、だからミニ(昔の)と言う車がイギリスで生まれたんですね。納得しました。
コッツウォルズのようす
一言でいえば、田舎です。
Stratford-upon-Avon
Bibury
Bourton-on-the-Water
Gloucester
といったあたりを回ってみました。
ここはStratford-upon-Avon で、少しだけ町になっています。
シェイクスピアの生家もあるのですが、気づかずに通り過ぎてしまうようなボロ屋(失礼!)にすぎません。
周辺は観光地化しています。
グロスターの中心、大聖堂は見ごたえがあります。
内部も隅々まで公開されており、たっぷりと大聖堂を堪能できます。
ハリーポッターのロケ地にもなったそうですね。
それ目当ての子どもたちが殺到していたら嫌だなと思っていたのですが、空いていました。なかなかここまで足を延ばす物好きも少ないのかもしれません。
教会は入場料をとらないところも多いのですが、ここは£5必要です。
以前は「寄付」と言う形で任意だったようですが、今回行ってみると、入り口を入ったところで笑顔の係員に出迎えられ、払わないという選択肢はありませんでした。
しかし£5以上の価値があることは保証します。
ちなみに、ここはあのヘンリー八世ゆかりの聖堂です。ヘンリー八世といえば、六人の奥さんがいたことでも有名で、彼女たちを主人公にしたミュージカル「SIX」も評判ですね。
実はロンドンで見てきました。お薦めです。
ただし、見る前に、ヘンリー8世と6人の妻たちについて下調べしておくことを強くお勧めします。その方がより楽しめるからです。
このあたりを回るバスツアーもたくさんありますが、本当は村に宿泊してゆっくりと散歩するほうが楽しめると思うのです。
これは泊まった宿周辺を朝早く散歩していて見かけた、何ということのない村の教会です。
こうした光景に出会えるのが楽しいのです。
ところで、今回はコッツウォルズで宿泊したホテルは、「〇〇Arms」という宿ばかりです。Armsって、パブによくつけられている名称ですが、元は紋章という意味のようですね。そういえばパブに妙に立派な紋章が掲げられているのをよく見かけます。
これはコッツウォルズではなくロンドン・ウェストミンスターあたりの「The Red Lion」というパブですが、掲げられた紋章の立派なこと! たかだかパブに飾るにはもったいない? 立派さです。
さて泊まり歩いた「〇〇Arms」ですが、名前のとおり、1階がパブで、上階が宿泊部屋、となっています。もちろんフロントなどというものもなく、パブのカウンターで声をかけると部屋のキーがもらえるのです。
好きなときに飲みに行ける、酔っぱらっても大丈夫、という酒飲みには天国のような宿ですね。
部屋も、悪くありません。
ただし冷蔵庫もエアコンもありません。ビールが飲みたければ階段を降りればいいのです。
1階のパブにはおそらく村中の人間が集うと思われ(だって他に店など一軒もありませんから)、夜には賑わいます。隅のテーブルでは、4人組が1パイントのビール(色からすればエールかな)を舐めながらトランプに興じています。たぶんブリッジ?
ロンドンだけでも何日あっても飽きませんが、ちょっと郊外に足を延ばすと、こうした地元の光景に出会えて、なかなか楽しいと思います。
※この「〇〇Arms」ですが、エレベーターなんていう文明の利器はありません。ギシギシときしむ狭い階段を上るのです。まあ日本でいう民宿だと思ってください。
したがって、自力で持てない重量の大型スーツケースを愛用されている方は大変です。
私は機内手荷物だけの旅でしたので問題ありませんでしたが。
「大型スーツケース派」の方には、ぜひ一度機内手荷物だけの旅行をおすすめしたい。
機動力がまるで違います。