
※この記事の初出は2024.07.06です。2025.11.14にUPDATEし、有料記事化しました。
中学受験に新聞は役立ちます。
高校受験にも大学受験にも役立ちます。
しかし、最近は新聞自体を取らない家庭が増えています。
今回は、地方新聞の役割について考えてみましょう。
例によって登場人物は麻布志望の3人組、タロウ・ワタル・ゲンタ(仮名)です。実際の生徒・授業ではなく、過去の授業を再構成したものです。
- 【問題提起】~~新聞を取る家庭が減った~~
- 【記述テーマ】~~地方紙の果たす役割~~
- 【武士の情けの裏切り】~~ワタルの0点答案~~
- 【課題の展開】~~新聞の役割~~
- 【記述テーマ】~~新聞の役割~~
【問題提起】~~新聞を取る家庭が減った~~
タロウ:ねえゲンタ。ゲンタのうちでは新聞とってる?
ゲンタ:うん、取ってるよ。でもつまらなそうな経済専門の新聞で、お父さんが会社に行くときに持って出るから、結局家族の誰も読まないよ。
タロウ:ワタルのところは?
ワタル:うちも取ってるよ。普通の新聞。でもなんでそんなこと聞くの?
タロウ:昨日学校で先生に言われたんだ。来週の工作の時間に新聞紙を使うから、家から古い新聞を持ってきなさいって。でもうち新聞取ってないからさ。どうしようと思ってたんだよ。ワタル、古いやつでいいから少しもらえる?
ワタル:いいよ。どうせ捨てるものだし。本当に古いのでいいの?
タロウ:うん。ありがとう、助かるよ。
ワタル:新聞ってさ、あんまり読まないうちにすぐ溜まって山積みになるんだよね。だからうちでも、そろそろ新聞取るのやめようかって言ってるよ。
タロウ:ワタルのところが取るのやめる前でよかった。
私:なるほどなあ。最近新聞を取る家庭が減ってるって知ってかい?
一同:そうなの?
私:このグラフを見てごらん。これは新聞発行部数のグラフだ。

タロウ:うわ、すごい。一目瞭然ってやつだね。
ワタル:本当だね。発行部数が減っているってことは、読む人が減ってるってことだよね。
私:新聞の発行部数のピークは1997年の5376万部だそうなので、まさに半減といっていいね。月ぎめでとっている家庭の割合は、2008年には88.6%だったが、2023年には58%くらいになったんだ。
タロウ:つまり半分くらいの家庭が新聞をとっていないってことだね。うちだけじゃなかったんだ。
私:さらに、全国紙だけにしぼって調査すると、26.4%だそうだから、およそ1/4くらいの家庭しか全国紙をとっていないんだね。
ゲンタ:全国紙って何?
私:全国で発行されている新聞だ。朝日・毎日・読売・産経・日本経済新聞の5紙のことだよ。
ゲンタ:あ、うちそれだ。日本経済新聞ってやつ。すごいつまらない新聞だよ。お父さん、何であんなおもしろくない新聞読んでるのかな?
私:あの新聞は、経済に詳しいからね。仕事をしている大人で読む人が多いようだね。まあ小学生には難しくてつまらないのはしかたがない。
ワタル:ちょっと待って。新聞をとる家庭の割合が58%で、全国紙をとっている割合が26%くらいってことは、半分の人は全国紙以外の新聞をとっているってこと?
私:そうだ。全国紙以外にもブロック紙とよばれる新聞があって、北海道新聞・中日新聞・西日本新聞の3紙をそう呼ぶんだ。例えば中日新聞は、名前のとおり名古屋から東海にかけて発行されているが、発行部数では読売・朝日についで第三位だそうだ。東京新聞という新聞も実は中日新聞社が発行しているよ。
ワタル:あ、うちそれだ。へえ。ブロック紙だったんだ。
私:あとは、地方紙とよばれる新聞があるね。狭い地域で発行されている新聞だが、地元では根強い人気があるよ。たとえば沖縄県なら、沖縄タイムスと琉球新報という2紙があるね。また石垣島になるが、八重山日報と八重山毎日新聞というものがある。
タロウ:ずいぶんローカルなかんじだね。そんな新聞読む人いるの?
私:地元の人にとっては興味があったり役立つ記事が多いからね。ちょっと検索してみてごらん。
タロウ:どれどれ、八重山日報を見てみるよ。ほんとだ! 沖縄空手の人が優勝した話題とか、尖閣諸島に中国船が現れたニュースとか。あとは、自衛隊の人が迷彩服で近所を歩いてほしくないと訴えたなんて記事があるね。3月14日に海開き予定だってさ。早っ! 初代パイン大使になった女性の記事なんてのもあるけど、尖閣問題・自衛隊問題が多いなあ。
私:ここで記述の課題を出そう。
皆:ここで!
私:全国紙以外の地方紙が果たす役割について書いてみよう。今ちょうど開いている八重山日報の記事を参考にしてもいいから。
【記述テーマ】~~地方紙の果たす役割~~
タロウ:「地方紙は、地元に密着した記事が多いため、地元の人の生活には欠かせない存在である。」
ワタル:それ3点じゃない?
タロウ:うん、僕もそう思う。
私:タロウ、どうしてそう思った?
タロウ:だってさ、地元の人の生活には欠かせないって言い切ったけど、どうして欠かせないのか、その具体的な例が何も書いてないし。あ、言わないで。わかってるから。自分で気が付いてるんなら書け!って言うんでしょ。でも、思いつかなかったものはしようがないじゃない。
私:そうだな、3点だ。
ゲンタ:「地方紙は地元の人の生活に密着した、地元の人が知りたいニュースを記事にしている。例えば、沖縄の八重山には尖閣諸島があり、中国との間で国境をめぐるいざこざが絶えない。東京に住んでいると他人事にしか思えないが、地元の人にとっては戦争の危機を身近に感じているニュースなのだ。だからこそ報道する価値があるし、私たちもっと地方で起きている事柄について関心を持たねばならない。」
タロウ:なにそれ! かっこよすぎ! ゲンタ、いつからそんなに書けるようになった?
ワタル:もう満点でいいよ。
私:そうだな、満点だ。
ゲンタ:やった!
私:とくに、首都圏に住む私たちももっと地方に目を向けようという提言は素晴らしかった。ところで、ワタルは?
ワタル:ごめん、先生。今の聞いたら、とても読めないよ。
私:どれどれ。ああ、これは。うん、わかった、武士の情けだ。没にする。
タロウ:ええっ、ずるいよ!
ワタル:ほんと、ひどすぎて。もう0点だし。
私:まあ、そういうこともある。ゲンタの解答をよく読んでマネできるようにな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新聞の購読数の減少には世界的に歯止めがかかりませn.
もはや新聞は「オワコン」(私の嫌いな言葉ですが)とされています。
時代が変化すれば、メディアだって変わりますし、情報の入手手段だって変化します。
新聞と言うメディアの役割はもう終わった、そう考える方も多いでしょう。
しかし天邪鬼な私は考えるのです。
本当に終わったのか?
終わらせていいのか?
さらにここまで考えてしまいます。
新聞の果たす役割は何なのか?
新聞が無くなることで社会にどのような影響があるのか?
この後は、この課題について考察することにします。