
※この記事の初出は2024.06.17です。2025.11.12にUPDATEし有料化しました。
今回も、ロジカルライティングの授業を紹介します。
授業テーマは「日本の貿易の変化 その2」です。
例によって登場人物は麻布志望の3人組、タロウ・ワタル・ゲンタ(仮名)です。実際の生徒・授業ではなく、過去の授業を再構成したものです。
貿易額の変化
私:今日は、昨日に続いて日本の貿易の変化について考えてみるよ。
皆:はい。
私:ところで日本の貿易の特徴といえば何をあげるかな? はい、ワタル。
ワタル:加工貿易
私:そのとおりだね。加工貿易ってどんな貿易だったか言えるかな?
ワタル:原料を輸入し製品に加工して輸出する貿易のことです。
私;完璧だ。でも、どうしてそんな貿易を行っているのかな?
ワタル:どうしてって・・・・・。
ゲンタ:それは日本には資源が無いからだよ。だから輸入してるんだ。
私:じゃあ、製品を輸出する理由は?
タロウ:儲けるため!
私:正解だ。貿易というのは、言ってしまえば商売なんだね。何かを外国に売ればお金が入ってくる。何かを外国から買えばお金を支払わなくてはならない。
タロウ:じゃあ、なるべく輸出して輸入しないのが一番だね。
ゲンタ:それが貿易黒字ってことだね。あ、昨日、グラフで見てたら、とくに1980年代からの20年以上、日本はずっと貿易黒字だったよね。つまり儲かってたってことだね。

私:このグラフを見てごらん。1981年から2010年までの30年間分だ。右の目盛は緑の線、つまり黒字額を示している。
タロウ:ほんとだね。ずっと貿易黒字だったんだね。
ゲンタ:先生、2008年に急に貿易額も黒字額も減ってるんですけど、何かあったんですか?
私:いいところに気が付いたね。2008年には、アメリカの投資銀行の大手だったリーマン・ブラザースという会社が倒産したんだ。その負債総額は何と6000億ドルだった。
タロウ:6000億ドル! えっと、日本円でいくらだろう? ゼロがたくさんありすぎてわかんないよ。
私:当時の相場だと64兆円くらいだね。
皆:64兆円!
ワタル:でも何で倒産したのかな?
私:ううむ、これはけっこう難しい話なんだが。ま、簡単にいうと、銀行からお金を借りて住宅を買ってた人達がそのお金を返せなくなってね。それがきっかけとなって連鎖反応的に金融危機が広がったんだ。
タロウ:それが日本にも影響したんだね。
日本の貿易品の移り変わり
私:ここで、日本の貿易品を見てみよう。まず、1960年の輸入品だ。