
※この記事の初出は2024.03.29です。2025.11.09にUPDATEし、有料化しました。
今回は、私が実践しているロジカルライティングの授業の中から、環境問題をテーマとしたものを記事にします。
題して「路線バスはエコなのか?」
例によって登場人物は麻布志望の3人組、タロウ・ワタル・ゲンタ(仮名)です。実際の生徒・授業ではなく、過去の授業を再構成したものです。
【問題提起】
私:今日は環境問題について考えてみよう。
タロウ:えぇっ、環境?
私:どうした、環境問題は苦手か?
タロウ:別に苦手じゃないけど。でも学校でもやってるし、なんだか飽きたってかんじ。
ゲンタ:僕も。環境問題が大事だってのはわかるんだけど、砂漠化とか温暖化とか言われても、なんかピンとこなくてさ。
タロウ:そうそう。温暖化が異常気象の原因だなんて本当なのかな?
私:たしかに因果関係は複雑で議論になっていることは確かだ。
ワタル:うちは親もうるさいんだ。電気は消せとか、冷蔵庫の扉をすぐに閉じろとか。あれはきっと電気代けちってるんだ。二言目には、「もったいないでしょ」って怒るんだよ。
私:「もったいない」素敵な言葉じゃないか。語源を知ってるのか?
ワタル:知らないよ。
私:もともとは仏教用語だったんだ。「勿体(もったい)」と言う言葉は、「物事の本来あるべき姿」や「本質的な価値」と言う意味なんだ。それが失われることは惜しい損失だろ?
ワタル:もしかして「もったいをつける」とか「もったいぶる」も関係ある?
私:そのとおりだ! 物事の本質的な価値って大切だよな。それをあたりに見せびらかすような態度のことをいう。
タロウ:そういえばノーベル賞をとっただれかがもったいないっていったよね?
私:2004年にノーベル平和賞を受賞した佳境保護活動家のワンガリ・マータイさんだね。彼女が翌年に来日したときに、「もったいない」という日本語を知って感銘を受けたんだそうだ。そこで、「MOTTAINAIキャンペーン」を世界に広めていったんだ。
ワタル:そっか。うちのおかあさん、立派だったんだ。あれ、待てよ、そうでもないかも。うちは駅までけっこう距離があるのに、環境のために歩いていけってすぐ言うんだ。今日だってこんな土砂降りなのに車で送ってもらえないから、もうびしょ濡れだよ。そのくせ自分は近所のコンビニだって車で行くんだよ。
私:こんな雨の中来てくれてありがとうな。そうか、みんな環境問題はやりたくないか。
皆:うん!
私:でも、今日のテーマはきっと気に入るぞ。題して、「公共交通機関は果たしてエコなのか?」だ。
タロウ:公共交通機関って、何だっけ?
ワタル:電車とバスのことだよ。ね、先生?
私:そうだ。まあ飛行機や船舶も公共交通機関に入る。一般社団法人「日本民営鉄道協会」によれば、
鉄道や軌道(路面電車)、バス、タクシー、航空機、船舶など、不特定多数の人々が、所定の運賃を支払えば自由に利用することができる交通機関のことを「公共交通機関」といいます。「公共輸送機関」と呼ぶこともあります。
となっているな。
タロウ:前から気になってたんだけど、その「一般社団法人」って何?
ゲンタ:そうそう。あと財団法人ってのもあるよね。あれ何だろ?
ワタル:そもそも「法人」って何なの?
私:それでは、本題に入る前に、まずそこから整理しておくか。