
集団指導塾では、過去問演習が十分に行われません。
これは、どの大手塾にも(中小塾にも)共通した欠陥です。
なぜ塾では過去問演習が不十分?
理由その1・・・時間がない
塾のカリキュラムは決まっています。カリキュラムに対応したテキストがあり、時間数も決まっています。
その中に、過去問演習の時間を組み込むことが事実上難しいいのです。
理由その2・・・保護者の誤解
わが子の受ける学校の過去問だけ扱ってほしい。
皆そう考えていますが、実はそれは間違っています。
本当の得点力を鍛えるためには、多種多様な入試問題にランダムにあたるべきなのです。
しかし、保護者がそれを望みません。「うちの子は開成を受験するのに、どうして女子学院の過去問を解かされるの?」という疑問・苦情が必ず出ます。
良かれと思って授業しても苦情になるのなら、やりません。ビジネスですから。
理由その3・・・教師の負担
過去問演習の授業は、実は教師の力量が相当に必要になります。
ただ答え合わせするだけでは、さすがに生徒だって納得しません。
生徒が間違えるポイント、問題から自在に膨らませる知識、そうしたことを熟知した教師でないとまともな過去問演習はできません。
理由その4・・・紛失リスク
偏見(経験)で言うと、塾の教師は整理整頓が苦手です。職員室の机上には、大量の書類が積みあがっているのが普通です。そこで、生徒から過去問答案を預かると、紛失リスクがあるのです。かといって、自宅への持ち帰りは厳禁です。
早い話が、「預かるのが面倒」、これが本音です。
現状
現状、多くの塾で行われている「過去問演習」はこうなっています。
◆家でやらせる
こうした塾が大半です。自分の受ける学校の過去問を家で解いてこさせるのです。丸つけまで自分でやらせます。これでは塾に通う意味はないですよね。そこで、「答案用紙」の提出をさせます。提出された過去問を丁寧に添削指導するわけではありません。簡単なコメントがついていれば上出来、といったところでしょうか。
◆指示した学校の過去問をやらせる
あらかじめ塾で指定した過去問を家でとかせ、それを提出させます。もちろんこれも、丸付け後の答案を提出させるだけです。
◆丁寧に添削指導する
もしお通いの塾がこうしたスタイルなら、それは素晴らしい塾・先生ですね。
経験上、1本の過去問の添削には、1時間くらいかかります。生徒の誤答を指摘し、どうすれば正しく記述できるのかをコメントしようとすると、それくらいの時間がかかるのです。全員が同じ学校を受けるのでない限り、集団指導塾でこれを行うのは事実上不可能です。過労死レベルで残業しない限りできません。
理想
夏以降の理想は、毎回丁寧な過去問解説授業を実施することです。
生徒全員に同じ学校の入試問題を時間をきっちりと測って解かせ、その直後にその問題を素材とした解説授業を実施する。
これを入試までに50本程度実施すれば、確実に得点力は上がります。高めに安定します。
今さら、基本知識の穴埋めプリントやドリル演習をやらせている塾は、何もわかっていないのだと思います。
夏以降は、塾の講習や特別講座を削ってでも、自宅で過去問演習をきちんとやることをお勧めします。
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